ツリフネソウ科(読み)つりふねそうか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツリフネソウ科」の意味・わかりやすい解説

ツリフネソウ科
つりふねそうか
[学] Balsaminaceae

双子葉植物、離弁花類一年草または多年草。茎は柔らかい。葉は薄く、互生まれに対生。花は5数性で左右相称。萼片(がくへん)は5枚、しばしば上側の2枚は退化し、下側の1枚は後方に伸びて距(きょ)をつくり、花弁と同じ色になる。花弁は5枚。雄しべは5本、葯(やく)は互いに合着して花柱を覆う。子房は5室、多数の胚珠(はいしゅ)がある。果実蒴果(さくか)、裂開して種子を飛ばす。おもに北半球温帯に、一部は熱帯に分布し、4属600種ほど知られる。日本にはツリフネソウキツリフネなど3種が野生し、ホウセンカアフリカホウセンカなどが栽培される。

[山崎 敬 2021年3月22日]

 APG分類でもツリフネソウ科とされる。この分類によると、世界に2属900種以上が知られ、日本にはツリフネソウ属が自生する。

[編集部 2021年3月22日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツリフネソウ科」の意味・わかりやすい解説

ツリフネソウ科
ツリフネソウか
Balsaminaceae

双子葉植物ムクロジ目の1科。北半球の暖温帯から熱帯に4属約 500種がある。いずれも軟質の茎をもつ一年草ないし多年草で,小型のものが多い。茎は水分が多くやや多肉状で,葉は互生する。花は両性花で左右相称形,5数性であるが萼片の2枚は退化し1枚は嘴状のとなる。また,花弁のうち側弁2枚は特に大きい。おしべは5本。果実は細長い円柱状の蒴果で熟すと反転開裂し,小さな種子を遠くへ飛ばす。ツリフネソウ属 Impatiensの2~3種が日本にも自生するほか,同属のホウセンカ (鳳仙花)や,属名を商品名とした外来種のインパティエンスなど,園芸植物が多数ある。

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