ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キム・ソンハン」の意味・わかりやすい解説
キム・ソンハン(金声翰)
キム・ソンハン
Kim Sǒnghan
韓国の小説家。 1944年日本の東京大学を中退,のちイギリスのマンチェスター大学を卒業。 50年短編『無明路』が『ソウル新聞』の懸賞に当選し,文壇にデビュー。雑誌『思想界』の編集長,『東亜日報』の論説委員,編集局長などをつとめ,言論界に活躍した。短編『ゼウスの自殺』 (1955) ,『5分間』 (55) ,『バビド』 (56) ,『極限』 (56) ,『かたつむり』 (57) ,『彷徨』 (57) などがあり,56年に東仁文学賞,57年に自由文学賞を受賞。現代社会における知識人の苦悩と彷徨を,簡潔で知的な文章で表現し,韓国小説の現代化に寄与した。ほかに『李成桂』 (67) や日本にも紹介された『壬辰倭乱』 (90) などの長編歴史小説がある。
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