彷徨(読み)ホウコウ

デジタル大辞泉 「彷徨」の意味・読み・例文・類語

ほう‐こう〔ハウクワウ〕【××徨/×仿×偟】

[名](スル)当てもなく歩き回ること。さまようこと。「晩秋の野を―する」
[類語]うろつくさすらうさまよう出歩くほっつくほっつき歩くほっつき回るぶらつくぶらぶらうろちょろうろうろちゃかちゃか徘徊低回流浪放浪漂泊流離漂流浮浪右往左往流れ歩く流れ渡る渡り歩く巡る経巡る二転三転回歴遍歴巡行巡回転転

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精選版 日本国語大辞典 「彷徨」の意味・読み・例文・類語

さまよいさまよひ【彷徨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さまよう(━迷)」の連用形名詞化 )
  2. さすらうこと。漂泊。
    1. [初出の実例]「飄泊(サマヨヒ)追懐(おもひで)ばかり 楽しき日悲しきはなし」(出典落梅集(1901)〈島崎藤村〉胸より胸に・ああさなり君のごとくに)
  3. ゆらめくこと。たゆたい。
    1. [初出の実例]「たそがれ淡き揺曳(サマヨヒ)やはらかに 収まる光暫しの名残なる 透影投げし碧の淵の上」(出典:あこがれ(1905)〈石川啄木アカシヤの蔭)

ほう‐こうハウクヮウ【彷徨・仿

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動タリ ) あてもなく歩き回ること。さまようこと。うろつくこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「入鹿心忌之、将還彷徨、舎人頻喚」(出典:家伝(760頃)上)
    2. 「独の老人跡より美童を伴ひ、彷徨(ハウカウ)として来り」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)一)
    3. [その他の文献]〔戦国策‐魏策〕

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普及版 字通 「彷徨」の読み・字形・画数・意味

【彷徨】ほうこう(はうくわう)

たちもとおる。〔詩、王風、黍離、序〕黍離(しより)は宗を閔(あは)れむなり。大夫、行役して宗に至り、故(もと)の宗宮室を(よぎ)るに、盡(ことごと)く禾黍(くわしよ)と爲れり。~彷徨して去るにびず、是の詩を作る。

字通「彷」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「彷徨」の意味・わかりやすい解説

彷徨
ほうこう
Pang-huang

中国の作家魯迅短編小説集。 1926年9月,北新書局から『烏合叢書之一』として刊。『吶喊 (とっかん) 』に続く第2創作集で,『祝福』『孤独者』『傷逝』など,24,25年作の短編小説 11編を執筆順に収める。

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世界大百科事典(旧版)内の彷徨の言及

【中国文学】より

…彼等の作品は,五・四運動退潮期の時代を反映して,灰色の人生を描く傾向を強めていったが,その中にあって,魯迅の作品のみは時代の水準を抜いていた。名作《阿Q正伝》(1921)をはじめ,《吶喊(とつかん)》《彷徨》の二つの作品集に収められた諸作品には,暗い現実を凝視する作者の視線に,みずからをも現実に対する加害者の一人ととらえる苦い内省の思いが影を落とし,独特の深みのある世界を作った。こうした文学研究会の傾向に反発した郭沫若,郁達夫(いくたつぷ)などは創造社を組織し,芸術至上主義を唱えた。…

※「彷徨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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