彷徨(読み)さまよい

精選版 日本国語大辞典「彷徨」の解説

さまよい さまよひ【彷徨】

〘名〙 (動詞「さまよう(━迷)」の連用形の名詞化)
① さすらうこと。漂泊
※落梅集(1901)〈島崎藤村〉胸より胸に・ああさなり君のごとくに「飄泊(サマヨヒ)の追懐(おもひで)ばかり 楽しき日悲しきはなし」
② ゆらめくこと。たゆたい。
※あこがれ(1905)〈石川啄木〉アカシヤの蔭「たそがれ淡き揺曳(サマヨヒ)やはらかに 収まる光暫しの名残なる 透影投げし碧の淵の上」

うろ‐つ・く【彷徨】

〘自カ五(四)〙 (「つく」は接尾語)
① あわてふためいてあちこち動く。うろたえてまごつく。
※評判記・色道大鏡(1678)四「迷惑がりつつ、一わうまはりてうろつくやうにすべし」
※学談雑録(1716頃)「決断がない、人の言にうろつく」
② あてもなく歩く。また、同じ所を行ったり来たりする。
※俳諧・炭俵(1694)上「一いきれ蝶もうろつくわか葉哉〈楚舟〉」

ほう‐こう ハウクヮウ【彷徨・仿

〘名〙 (形動タリ) あてもなく歩き回ること。さまようこと。うろつくこと。また、そのさま。
※家伝(760頃)上「入鹿心忌之、将還徨、舎人頻喚」
※浮世草子・近代艷隠者(1686)一「独の老人跡より美童を伴ひ、彷徨(ハウカウ)として来り」 〔戦国策‐魏策〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「彷徨」の解説

彷徨
ほうこう
Pang-huang

中国の作家魯迅の短編小説集。 1926年9月,北新書局から『烏合叢書之一』として刊。『吶喊 (とっかん) 』に続く第2創作集で,『祝福』『孤独者』『傷逝』など,24,25年作の短編小説 11編を執筆順に収める。

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デジタル大辞泉「彷徨」の解説

ほう‐こう〔ハウクワウ〕【××徨/×仿×偟】

[名](スル)当てもなく歩き回ること。さまようこと。「晩秋の野を―する」
[類語]うろつくさすらうさまよう出歩くほっつくほっつき歩くほっつき回るぶらつくぶらぶらうろちょろうろうろちゃかちゃか徘徊低回流浪放浪漂泊流離漂流浮浪右往左往流れ歩く流れ渡る渡り歩く巡る経巡る二転三転回歴遍歴巡行巡回転転

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普及版 字通「彷徨」の解説

【彷徨】ほうこう(はうくわう)

たちもとおる。〔、王風、黍離〕黍離(しより)はを閔(あは)れむなり。の大夫、行役して宗に至り、(もと)の宗宮室を(よぎ)るに、盡(ことごと)く禾黍(くわしよ)と爲れり。~彷徨して去るにびず、の詩を作る。

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