貯蔵期間を延ばすために,収穫した作物を貯蔵前に一定期間高温多湿の条件下に置いてコルク層を発達させ,収穫時にできた傷口をふさぐこと。日本ではおもに種いも用のサツマイモを貯蔵する場合に行っている。サツマイモの貯蔵適温は13~14℃であるが,はじめからこの温度で貯蔵すると,収穫時にできた傷口から黒腐病菌や軟腐病菌が侵入して多くのいもが腐ってしまう。そこで貯蔵に先立って,4~5日間,温度を30~35℃,湿度を90~95%に上げてコルクの形成を促し,傷口がふさがってから,温度13~14℃,湿度85~90%で貯蔵する。しかし傷口にコルクができると,いもの外観が悪くなるので,早掘りや焼芋用のサツマイモを貯蔵する場合には,ていねいに掘りとったいもをキュアリングしないで貯蔵している。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…いもは収穫後,簡易な溝穴や,地下約3mの穴むろに貯蔵される。またキュアリング貯蔵といって,あらかじめ高温多湿にして,いもの表皮にコルク層を作らせ,病菌の侵入を防ぎ,その後は約13℃で保温する大規模な屋内人工加温貯蔵法も行われる。
[利用]
サツマイモの成分は約70%が水分,タンパク質や灰分はそれぞれ1%ほどで,残りの約30%が炭水化物であり,デンプンが主成分である。…
※「キュアリング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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