ハム(読み)はむ(その他表記)ham

翻訳|ham

デジタル大辞泉 「ハム」の意味・読み・例文・類語

ハム(ham)

豚肉を塩水に漬けてから燻製くんせいにした加工食品。もも肉の骨付きが本来であるが、ボンレスハムロースハム生ハムや、他の畜肉・魚肉などを使ったプレスハムもある。
太ももの後ろ。→ハムストリング
メタ構文変数で用いられる、意味をもたない文字列の一。

ハム(Hamm)

ドイツ西部、ノルトライン‐ウェストファーレン州の都市。ドルトムントの北東約30キロメートル、リッペ川および並行する運河沿いに位置し、河港をもつ。ルール地方北端の工業都市であり、鉄鋼業、化学工業が盛ん。

ハム(hum)

ラジオ・テレビなどの受信機で、電源に交流を用いた場合に出る、ブーンという雑音。ハム音。ハムノイズ

ハム(ham)

アマチュア無線家

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精選版 日本国語大辞典 「ハム」の意味・読み・例文・類語

ハム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] hum ) ラジオなどの受信機で、電源に交流を使用した場合に出るブーンという雑音。
    1. [初出の実例]「なんせアパートの天井裏は電線だらけや。ハムが入るのはしゃァないな」(出典:初稿・エロ事師たち(1963)〈野坂昭如〉一)

ハム

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] ham ) 豚肉を塩漬にした後、燻製(くんせい)にした加工食品。本来は腿肉(ももにく)を用いるが、現在は他の部分も用いる。〔蛮語箋(1798)〕

ハム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] ham ) アマチュア無線通信家。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハム」の意味・わかりやすい解説

ハム(豚肉の加工品)
はむ
ham

豚肉の加工品。豚肉を塩漬(えんせき)(キュアリングcuringともいう)後、薫煙(くんえん)、湯煮(ゆに)したものをいう。ハムとは本来ブタのもも肉のことで、転じてその部分を塩漬、薫煙などして加工したものを意味するようになった。

河野友美・山口米子]

歴史

1000年ごろのギリシアにはすでに、肉を薫煙や塩漬けにしたもので、ハムの原形のようなものがあった。ホメロスの詩のなかに、これらの肉加工品に関する記述がある。肉を主要な食料とするヨーロッパでは、早くから保存用の肉加工品がつくられ、ローマ時代にはハムが遠征軍の携帯食として用いられていた。一方、日本では明治になってから肉食そのものが一般化した。そのため、ハムをはじめとする肉加工品の発達が遅く、大量生産されて広く一般に食べられるようになったのは第二次世界大戦後である。日本でのハム製造は、1872年(明治5)に長崎の片岡伊右衛門がアメリカ人ペンスニから製造法を学び、工場を建設し、製造を開始したとあるのが最初とされている。その翌年、北海道開拓使庁が東京農事試験場で、さらに76年に札幌養豚場でハムを試作している。74年には神奈川県鎌倉郡下柏尾村(横浜市戸塚区)でイギリス人カーティスW. Curtisが製造・販売を始めた。87年にはこの技術を受け継いだ斉藤満平がハム製造を開始、またカーティスの工場に勤めていた益田直蔵も同じころ独立してハムづくりを始め、これらは通称「鎌倉ハム」とよばれた。第一次大戦後、日本に居留したドイツ人によって、さらに技術が高められた。第二次大戦後、魚肉ハムの普及を経て、品質規格も整い、各種の肉加工品が販売されるようになった。

[河野友美・山口米子]

製法

原料肉を目的に応じて切断、整形し、次に食塩と発色剤をまぶし、重石(おもし)をかけて血絞りをする。血絞りによって、変質の原因となる血液を除き、同時に肉色を美しく保つための発色剤がこの段階から用いられる。血絞りののち、塩漬剤(食塩、発色剤などの食品添加物、香辛料や調味料)を用いて塩漬を行う。この工程によって、ハムの風味、肉質、色調が整えられる。塩漬の方法は、塩漬剤を水に溶かしてその中に漬け込む。または、塩漬液(ピックルとよぶ)を肉の内部へ注入する。塩漬剤を粉状で擦り込む方法もあるが、時間がかかるため、近年は塩漬期間の短い液漬法と注入法が併用されることが多い。塩漬・熟成後、骨付きハム以外はケーシングに詰めて薫煙、湯煮などの加熱を行う。製品によって、加熱をするものとしないものとに分けられる。骨付きハム、ラックスハムは薫煙だけで、ほかのボンレスハム、ロースハム、その他は薫煙後、加熱する。加熱しないものは濃い紅色で、薫煙によって保存性をもたせるとともに風味づけを行う。加熱したものは肉色は薄いピンク色で、加熱によって保存性をもたせ、薫煙は風味づけ程度である。薫煙には温度によって冷薫、温薫、熱薫の三つがあり、製品に応じた方法がとられる。薫煙の煙の成分は200種以上のものが含まれ、薫煙によって色、風味、保存性が得られる。

[河野友美・山口米子]

種類

JAS(ジャス)(日本農林規格)では、ハム類を骨付きハム、ボンレスハム、ロースハム、ショルダーハムベリーハム、ラックスハムに分類している。それぞれについて品質、表示の規格を設けている。品質については品位(外観、色沢、香味、肉質等の採点結果)、製品中の水分(または原料赤肉中の水分や粗タンパク質)、原材料(原料肉、調味料、香辛料、食品添加物)、異物、内容量、容器または包装の状態について規格化されている。骨付きハムはブタの骨付きもも肉をそのまま塩漬、薫煙や加熱したもの、また、サイドベーコン(豚肉を半丸枝肉〈枝肉を二分したもの〉ごと塩漬、薫煙したベーコン)の内もも肉を骨ごと切り取って整形したものもいう。ボンレスハムはブタのもも肉を塩漬後骨を抜き、ケーシングに詰め、薫煙、湯煮または蒸煮(じょうしゃ)する。ロースハムはロース肉を、ショルダーハムはかた肉、ベリーハムはばら肉を用いてボンレスハムと同様につくる。ラックスハムはかた肉、ロース肉またはもも肉を用い、塩漬後ケーシングに詰めて薫煙したもので加熱は行わない。通称、生(なま)ハムとよばれているものである。そのほか、輸入品にはそれぞれの国特有のものがあり、名称もいろいろである。

 以上のハム類は豚肉のみを用いた製品であるが、日本特有のものに、豚肉以外にウシ、ウマ、ヒツジまたはヤギ、家兎(かと)の肉を含むプレスハム、さらに家禽(かきん)と魚肉も材料に含むことのできる混合プレスハムがある。また、魚肉を主材料にしたものに魚肉ハムがある。JASでは各製品ごとに細かく規格がつくられ、食品添加物などの使用制限や表示基準が設けられている。これらのマークや等級、材料名などの表示を見て内容を確かめることが、ハム類を選ぶ基本である。ハム類は丸ごとでの販売以外に、店頭で薄切りにしたもの、薄切りにして真空包装したものなどがある。保存料がほとんどのものに含まれているが、とくに無包装の薄切りにしたものでは、2、3日以内に食べるほうがよい。また、保存はかならず冷蔵庫で10℃以下に置く必要がある。薄切りにして密封包装したものも多く出回っており、パックごとに賞味期間の表示と10℃以下という保存条件がつけられる。

[河野友美・山口米子]

栄養・利用

タンパク質、ビタミンB1、B2ナイアシンのよい給源である。タンパク質は14~19%ほど含まれ、ボンレスハムがもっとも含量が多い。脂肪は使用する部位によってかなり差があり、ショルダーハム、骨付きハム、ロースハムに多く、14~18%含まれる。ボンレスハム、プレスハム、混合プレスハムでは4%前後と脂肪が少ない。

 食べ方としては、肉質の風味のよいものは薄切りにして生(なま)のままがよい。オードブル、サラダ、サンドイッチにする。とくに生ハムでは、薄くスライスしたものをパパイヤ、メロンなどの果物と組み合わせることが多い。加熱料理としては、厚めに切ってハムステーキやバーベキュー、丸ごとのベイクドハム、そのほかワイン煮、ハムエッグ、フライ、フリッターなどが一般的である。和風料理では酢の物、かき揚げなどに、中国風料理では、ハム・卵・キュウリの酢の物、冷麺(れいめん)などに用いられる。

[河野友美・山口米子]

中国のハム

中国では、ハムを火腿(フオトイ)とよんでいる。西洋式のハムと違い、中国のハムはひづめまでついているブタのもも肉を材料とする。塩と砂糖を均等にもみ込み、熟成させて乾燥する。中国の山東省武梁祠(ウーリャンツー)から出土した画像石に、1~2世紀ごろの厨房(ちゅうぼう)が刻まれており、豚のもも肉(火腿)が鳥や魚などと並べられている。浙江(せっこう/チョーチヤン)省の金華(きんか/チンホワ)、雲南(うんなん/ユンナン)省の宣威(せんい/シュワンウェイ)などが中国でもっとも有名な火腿の産地である。

[鄭 耀 星]

製法

豚のもも肉、食塩、砂糖、硝石を使う。もも肉は長さと大きさが適当な中形で、重さ10~12キログラム、皮が薄く、赤身の多いほうがよい。塩は肉の重さの9%、砂糖は1%、硝石は0.05%以下を使う。

 まず、もも肉を整形する。皮の表面に残留する細毛および付着した脂肪を除去し、血管の中に残っている血はよく絞り取る。周りの脂肪を取り去って、水できれいに洗い、24時間0~2℃で予冷する。3段階に分けて塩もみを行う。1回目は肉の重さの4%の塩および砂糖などを混ぜた調味料をもも肉にまぶして、手でよくもむ。二つ割りにしたタケを交互に組み合わせてつくった床の上に置き、もも肉を5層以下積んで、重石を最上層にのせておく。室温を3℃くらいに保ち、1週間おいて、2回目の塩もみを行う。その際の調味料の用量も1回目と同じにし、17日間ねかせる。残った調味料は3回目の塩もみに使う。2回、3回の塩もみの際はいずれも切り返して置く。最初の塩もみから35日間くらい経過したのち、2時間水浸してよく洗い、形を修整し、2~3日間天日にさらし、肉が硬くなったら、温度10℃、相対湿度70%くらいの風通しのよいところで自然乾燥させる。約6か月間で発酵熟成するので、火腿を覆っているカビをふたたび水で洗浄、修整し、乾かして仕上げる。

[鄭 耀 星]

利用

火腿は長く保存でき、食べ方もいろいろある。蜜火腿(ミーフオトイ)は、皮付きの火腿を大きいまま酒で煮て柔らかくし、同時に塩出しをし、さらに長く蒸したのち、大きい角切りにし、蜂蜜(はちみつ)と酒で煮たものである。透き通っているので、薄切りにして重ね盛りをすると美しい。火腿醸冬瓜(フオトイニャントンコワ)は、薄切りにしたトウガンと火腿を一枚ずつ交互に挟んで蒸し上げたもので、色、香、味が調和した有名な火腿料理である。また、トウガンのわたをくりぬき、賽(さい)の目に切った火腿や、シイタケなどを入れ、澄ましスープを加えて、蒸す調理がある。これはトウガンがそのまま器になる名菜火腿冬瓜盅(フオトイトンコワチヨン)である。

[鄭 耀 星]

『日本食肉加工協会他監修『ハム・ソーセージ関連三法規』(1993・食肉通信社)』『古澤栄作著『新ハム・ソーセージ入門』新版(1998・日本食糧新聞社)』『新村裕他著『新食肉加工Q&A ハム・ソーセージ製造』(2001・食肉通信社)』『増田和彦著『ソーセージ物語――ハム・ソーセージをひろめた大木市蔵伝』(2002・ブレーン出版)』『日本加工食品新聞編『ハム・ソーセージ年鑑』各年版(食品経済社)』


ハム(ドイツ)
はむ
Hamm

ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の鉱工業都市。人口18万2400(2000)。ルール地方の北東端を占める。三つの炭鉱に総就業者の20%が従事し、針金、機械、エナメル製品の製造のほか、製粉などの食品工業が盛んである。また、ドイツの北部と東部からの鉄道が集中し、その操車場はヨーロッパ最大で、リッペ川に並行する運河の終点として重要な河港も有し、交通の要衝でもある。1227年に建設され、19世紀初頭までマルク伯の本拠地であった。現在、地方裁判所などの官公庁が多く、第三次産業従事者の割合は、ルール地方ではデュースブルクに次いで高い。

[齋藤光格]

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改訂新版 世界大百科事典 「ハム」の意味・わかりやすい解説

ハム
ham

豚肉から製造した肉製品の一つで,本来はブタのもも肉の意。骨付きのまま,あるいは骨をとったものに,塩漬(えんし)剤(塩,硝酸塩,亜硝酸塩,砂糖,リン酸塩,アスコルビン酸塩など)を粉のまま肉にまぶすか水に溶かしてピクルを作り,この中へ肉塊を浸漬(しんし),またはピクルを肉塊の中へ注入し,さらに加熱(加熱はほとんどか,あるいはまったくしないこともある)し燻煙(くんえん)して製造する。加熱は中心温度63℃,30分を基準とした低温殺菌で,缶詰の殺菌のようにほとんど無菌に近いものでなく菌の芽胞は生き残っているから,製造後の貯蔵流通にあたっては,芽胞が発芽しないように10℃以下の低温を保っておく必要がある。

骨なしのハムをボンレスハムという。日本ではもも肉のみでなく,ロース部,肩部などからハムと同様の製法によって作ったものもロースハム,ショルダーハムと称している。さらに小さい肉塊のいくつかを,〈つなぎ肉〉という結着性のよい肉のひき肉で結着させ,あたかも一つの肉塊から作ったように見せかけた肉製品をプレスハムという。ロースハム,プレスハムは日本で発展した独特のものである。生肉は加熱すれば灰色に変色するが,ハム類は加熱してもその美しいピンク色は変化しない。これは肉色素ミオグロビンと塩漬剤中の硝酸塩や亜硝酸塩とが反応してニトロソミオグロビンが形成されたためである。

明治以後の日本のハムの製造は,長崎大浦の片岡伊右衛門が1872年,長崎に来遊したアメリカ人よりハムの製法を伝授され,同年11月,工場を建設して製造を開始したのが最初である。長崎につづいては,北海道開拓使庁がその事業の一環として73年,東京農事試験場において,また76年,札幌養豚場において火腿(ハム)を試作している。1874年には,神奈川県鎌倉郡川上村(現,横浜市戸塚区)においてイギリス人カーティスWilliam Curtisが加工に着手し,これが日本人に伝わり,その一人である斉藤満平が87年,創業の許可を得て正式にハム製造を開始した。これがいわゆる鎌倉ハムの起源となり,ハム製造の発祥として知られている。第1次世界大戦後には,数名のドイツ人捕虜の加工技術者により,ドイツ式の加工技術が日本に伝わった。日本におけるハム類の生産量は,昭和30年代の後半から,肉類の消費の増加とともに著しく増加し,1995年には約17万tに達した。なお魚肉ハムというのは,魚の小肉塊をプレスハムと同様の製法で製造したもので,畜肉ハムよりももっと高温で加熱し,常温で流通しうる製品を作ることができる。
執筆者:

ハムは薄切りにして他の材料と組み合わせるのがふつうの食べ方で,サンドイッチやサラダに多用する。オードブルではゼリーがけにしたり,円錐形に巻いて詰物をしてコルネーにする。小さく切ってハムライスやオムレツに用い,厚めに切って焼いてハムステーキにする。中国料理では,拌三糸(線切り3種の和え物),火腿冬瓜夾(トウガンのハムはさみ蒸し),奶油三色菜(野菜3種の牛乳あんかけ)など,その味や色彩を利用したものが多い。生ハムは柔らかくとろりとした口当りが好まれ,ごく薄く切ったものを,メロン,パパイア,マンゴー,キーウィフルーツのような,甘く柔らかい果実に添えてオードブルとする。
執筆者:


ハム
Hamm

ドイツ西部,ノルトライン・ウェストファーレン州ルール地帯北東端の都市。人口18万1808(1999)。13世紀に都市法を授与され,19世紀初頭に至るまでマルク伯領の首都。リッペLippe河畔に位置し交通の要衝で,15世紀後半にはハンザ同盟に加わる。19世紀中葉の鉄道開通が新しい都市成長の起点となった。現在もヨーロッパ最大級の鉄道操車場を持つ。ダッテルン・ハム運河(1914-15)でライン川と結ばれる。鉄加工,線材圧延,機械製造,製材,繊維,醸造などの工業が行われる。
執筆者:


ハム
ham

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハム」の意味・わかりやすい解説

ハム
ham

アマチュア無線家の通称。音声やモールス符号による私設の短波無線局を開設することのできる有資格者。語源は,大根役者という意味の hamからきたとも,アマチュア amateurの amが転訛したものともいわれる。アマチュア無線は 20世紀初頭にアメリカ合衆国で試みられたものが,世界各国に急速に普及した。日本でも 1925年頃から実験が始まり,日本アマチュア無線連盟 JARLが結成され,1927年からは正式に開局が認められた。第2次世界大戦中は一時禁止されたが,大戦後,アマチュア無線家は急激に増加した。国際アマチュア無線連盟 JARUのハムと交信,非常災害時の通信などにも貢献している。アマチュア無線は電波法とその関連法規に規制され,金銭的利益にかかわる通信は禁じられている。無線局の開設には年齢,性別,職業にかかわりなく,国家試験や養成課程などによりアマチュア無線技士の資格を取得した者に総務大臣の免許が交付される。アマチュア無線技士の資格は第1級から第4級までの 4種類に分かれ,それぞれ行なうことができる無線設備の操作の範囲が定められている。(→短波通信

ハム
ham

代表的な肉製品の一つ。豚肉を塩漬し,香辛料を加え,薫煙し,独特の風味と防腐性を与えた加工食品のこと。元来,ハムとは豚のもも肉をさすが,その後その加工品もハムというようになり,現在日本では豚のもも肉以外の肉を使用した製品もハムと呼んでいる。種類は多いが代表的なものには,豚のもも肉を骨のついた大きな肉塊のまま加工した骨付きハム,豚のもも肉から骨を取除いたボンレスハム,もも肉やロース肉の肉片からつくったラックスハム,背のロース肉からつくったロースハムなどがある。またボンレスハムの場合,薫煙せずに湯煮しただけで仕上げたものはボイルドハムという。

ハム
Hamm

ドイツ西部,ノルトラインウェストファーレン州の都市。ドルトムントの北東約 30km,リッペ川とアーゼ川にのぞむ。 13~17世紀には,ハンザ同盟都市として繁栄。現在はルール工業地帯の東端に位置し,鋳鉄,電線・針金製造,繊維,機械製造などの工業が稼働。近くに炭鉱と温泉がある。鉄道の要地で,ドイツ最大の貨物駅があり,またダッテルン=ハム運河により広大な水路網と結ばれる。人口 18万1741(2010)。

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百科事典マイペディア 「ハム」の意味・わかりやすい解説

ハム

豚肉を塩漬,燻(くん)煙した加工食品。本来は豚の腿(もも)肉をさす。整形した原料肉に食塩や硝石をすり込み,血絞りを行い,のち食塩,硝石,香辛料,砂糖などを加えた塩漬液に漬ける。塩漬完了後,水洗・乾燥した肉を燻煙し,防腐性を与えるとともに特有の風味をつける。その後,殺菌のため湯煮してのち包装する。腿肉から作った一般的なボンレスハムのほか,腿肉を骨付のまま加工した骨付ハム,ロース肉を用いたロースハム,肩肉を用いたショルダーハム,豚,牛などの大切り屑(くず)肉を密着させてつくったプレスハムなどがある。なお,生ハムとは子豚の腿肉に塩をすりこみ,1ヵ月ほど寒風にさらしたもので,柔らかくとろりとした口当りが好まれる。

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栄養・生化学辞典 「ハム」の解説

ハム

 (1) ブタのももの部位.(2) もともとブタの腿肉を骨つきで塩漬けし,燻煙したものであるが,近年わが国では塩漬け肉をケーシングに詰め,煮たものをいうことが多い.

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世界大百科事典(旧版)内のハムの言及

【アマチュア無線】より

…ハムhamともいわれる趣味の一つであるが,国際電気通信条約付属無線通信規則や電波法施行規則によれば,〈金銭上の利益のためでなく,もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練,通信および技術的研究の業務〉のための無線通信である。世界共通の周波数帯を使って国内国外のアマチュア局と交信し,通信技術の研究を行うほか国際親善につとめている。…

【ハモ(鱧)】より

…ウナギ目ハモ科の海産魚(イラスト)。ハム(広島,高知)などの地方名がある。本州中部以南,とくに瀬戸内海,四国,九州に多いが,さらに朝鮮半島,台湾,東インド諸島,インド洋,紅海にわたって広く分布する。…

【符号化】より

…このとき,Cは〈t個誤り訂正符号〉と呼ばれる。たとえば,先の例のハミング符号は,最小距離3であるので,1個誤り訂正符号である。誤り発生確率は,誤りの個数とともにほぼ指数的に減少するので,小さい個数の誤り訂正がより重要であり,大きい個数の誤りは多くの場合無視してよい。…

※「ハム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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