キュレネ派(読み)キュレネは(その他表記)Kyrēnaioi; Cyrenais

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キュレネ派」の意味・わかりやすい解説

キュレネ派
キュレネは
Kyrēnaioi; Cyrenais

キュレネアリスチッポスを祖とするギリシア哲学一派。彼は個人的な感覚のみを確実とする立場から,快楽 (肉体的な快) を人生の究極目的とし最高善とする一方,真の快を判断するための識見の必要性を説いた。この説は娘アレテ,孫アリスチッポス (初期キュレネ派) ,さらにテオドロスヘゲシアス,アニケリス (後期キュレネ派) などに継承されたが,中心問題は常に努力の対象たる快の規定であった。テオドロスは識見に基づく合目的的行為より生じる喜びを最高のものとし,ヘゲシアスはペシミスティックな立場より識見によって不快を避けることをすすめた。これに対してアニケリスはひとつひとつの行為からくめる限りの快をくむことを生活の目的とした。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「キュレネ派」の解説

キュレネ派(キュレネは)
Kyrenaikoi

開祖アリスティッポスキュレネ学校を開いたことからこう呼ばれるギリシア哲学の一派。小ソクラテス派一つ。感覚的快楽を最高善とする快楽主義を説いたが,快楽獲得のための識見や,同情によって得られる快楽をも尊重し,エピクロス派先駆をなした。

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