アリスティッポス(読み)ありすてぃっぽす(その他表記)Aristippos

デジタル大辞泉 「アリスティッポス」の意味・読み・例文・類語

アリスティッポス(Aristippos)

[前435ころ~前355ころ]古代ギリシャの哲学者ソクラテス師事快楽主義を説いた。キュレネ学派の祖。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アリスティッポス」の意味・読み・例文・類語

アリスティッポス

  1. ( Aristippos ) 古代ギリシアの哲学者。はじめソクラテスに師事、のちキュレネ学派を開く。人生目的は現在を楽しむ肉体的快楽であり、そのためには過去未来にわずらわされない識見が必要であると説いた。(前四三五頃━前三五五頃

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリスティッポス」の意味・わかりやすい解説

アリスティッポス
ありすてぃっぽす
Aristippos
(前435?―前335?)

古代ギリシアの快楽主義の哲学者。アフリカ北岸キレネの生まれ。ソクラテスを慕ってアテネに渡り、さらにシチリア島宮廷などで生活したのち、故郷キレネ学派を開いた。ソクラテスは快楽を避けることもそれに負けることもなかったが、師のそのような面を彼は継承したとみられる。遊女ライスとの仲をなじられて、「ライスを抱くが抱かれはしない。最善なのは、楽しまぬことではなく、楽しみを支配して負かされぬことだ」と答えたという。

[田中享英 2015年1月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アリスティッポス」の意味・わかりやすい解説

アリスティッポス
Aristippos
生没年:前435ころ-前355ころ

北アフリカ,キュレネ生れのギリシア人哲学者。アテナイに来て修辞学教師となるが,ソクラテスと知り合って,快楽に支配されず,むしろ快楽を享受すべきであるという態度を学び,それを人間の無上の幸福とした。快楽主義を説くキュレネ学派の祖といわれているが,真の創始者同名の孫だと考えられている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「アリスティッポス」の解説

アリスティッポス
Aristippos

前435頃~前355頃

キュレネ生まれの哲学者。青年時代アテネにおいてソフィストに学び,ソクラテスと交わった。帰国後学校を開き,個々の瞬間的な肉体的快楽を最高善として,キュレネ派の祖となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「アリスティッポス」の意味・わかりやすい解説

アリスティッポス

古代ギリシアの哲学者。ソクラテスの弟子,キュレネ学派の創始者。快楽に支配されず,これを享受すべしとの幸福説を唱えた。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のアリスティッポスの言及

【快楽主義】より

…一般には肉体的快楽,とくに性的快楽を追求する立場をいうが,哲学史的には,何を快楽とするかは,各体系によって異なる。ソクラテスの弟子アリスティッポスは,人生の目的を快楽の追求とした。ただしこの快楽とは肉体的放縦の所産ではなく,逆に魂による肉体的欲望の統御から生まれると考えた。…

【キュレネ学派】より

…北アフリカのギリシア都市キュレネに起こった快楽主義哲学を奉じる学派。ソクラテスの弟子アリスティッポスの創立とされているが,その孫のアリスティッポスが始めたという説が有力。現在の一瞬だけを実在とみなし,人生の目的を今この時の快楽の追求におく。…

※「アリスティッポス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android