普及版 字通 の解説
11画
[字訓] おわる・ついに
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
(音)+人。〔説文〕三上に「樂曲盡くるをと爲す」とし、会意とするが、字形の説明はない。兄が祝の器を奉ずる人の形であることからいえば、はを奉ずる人の形である。は言の下部を曰(えつ)とする形。言は自己詛盟の辛(入墨の器)と祝の器((さい))で、神に誓い祈ること。その祝の器に神の反応として音を発する形は。それを奉ずる形がで、祝の終わることを意味する。その音によって神意を考えることを(意)といい、臆度すること。〔説文〕がを「樂曲盡くる」意とするのは、楽曲の終わることを(章)ということから推測したものであろうが、は辛に墨だまりのある形で、文身を加えることを文章(彰)という。・ととは、字形の意味が全く異なる字である。
[訓義]
1. おわる、祝のことが終わる。
2. つきる、きわまる、ゆきわたる。
3. ついに。
4. 境と通じ、さかい。
5. 鏡と通じ、かがみ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ヲフ・ヲハル・ワタル・ツヒニ
[声系]
〔説文〕に声として(鏡)など三字、〔新附〕に(境)を収める。は漢鏡の銘などに、の字を用いる。古くは鑒といい、水鏡であった。は疆と声が近い。
[語系]
・kyangは同声。疆kiang、界keatは声近く、通用する。みな、その限界のあるところをいう語である。
[熟語]
案▶・▶・界▶・外▶・局▶・歳▶・士▶・日▶・世▶・夕▶・体▶・旦▶・天▶・内▶・夜▶
[下接語]
究・窮・局・屈・歳・至・終・尽・垂・弥・畢・連
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報