キリストの変容(読み)キリストのへんよう(その他表記)Transfiguration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリストの変容」の意味・わかりやすい解説

キリストの変容
キリストのへんよう
Transfiguration

キリスト教美術の主題。『マタイによる福音書』17章1~13および『マルコによる福音書』9章2~13,『ルカによる福音書』9章28~36の記述によれば,イエス・キリストは受難(→キリストの受難)の前にペテロ,ヤコブ,ヨハネの 3弟子を連れて高い山に登った。すると見ている間にイエスの「顔は太陽のように輝き,その衣は光のように白くなった」。そしてモーセとエリヤの 2預言者が現れイエスと語った。また天上からは神の声が下った。これはキリストの受難と光栄を並置したエピファニー(顕現)として重要な出来事で,特に東方教会で重視され,十二大祭図の一つとして多くの作例がみられる。初期の作例としてラベンナのサンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂のモザイクでは,変容したキリストを大十字架で象徴的に表しているが,565~566年のシナイ山聖カタリナ修道院のモザイクでは変容したキリストが扁桃形の光背の中に立ち四方に光を放っている。弟子たちは通常画面底部に,恐れて転び伏した姿で表される。その他の作品例はフラ・アンジェリコによるサン・マルコ修道院壁画(1436~45,フィレンツェ)など。

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