デジタル大辞泉
「マルコによる福音書」の意味・読み・例文・類語
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精選版 日本国語大辞典
「マルコによる福音書」の意味・読み・例文・類語
マルコによるふくいんしょ【マルコによる福音書】
- 新約聖書第二書。マルコの著とされ、七〇年前後に成立。神の子イエスの受難を物語り、その生涯を克明に伝えた福音書。四福音書中最古のもので、マタイ・ルカによる福音書の資料ともなっている。マルコ伝。
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マルコによる福音書 (マルコによるふくいんしょ)
Gospel according to Mark
新約聖書の一つ。四つの福音書のうちもっとも古く,後70年前後に書かれた。ペテロが教示したことをマルコがまとめたとする伝統的説明は保持しがたい。成立地についてはローマ説,ギリシア・小アジア説のほか,ガリラヤ説が有力である。著者は著作に先立ち,受難物語,論争物語集,たとえ話集,奇跡物語集を文献または口頭伝承の形で手にしていたと考えられる。著者はこれらの資料を,イエスの受洗とガリラヤおよびその周辺での活動(8:26まで),エルサレムへの旅(8:27~10:52),エルサレムでの活動と受難(11:1~16:8)という構成を持つ連続的叙述へまとめ上げ,福音書文学の創出者となった。
執筆者:大貫 隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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マルコによる福音書
マルコによるふくいんしょ
Kata Markon; The Gospel According to Mark
新約聖書4福音書の一つ。マタイ,ルカの福音書とともに共観福音書と称され,『ヨハネによる福音書』を含めた4福音書中最も古く,最も短いものであり,マタイとルカ両福音書の編集に使われた。非常に長い間『マタイによる福音書』の要約と考えられていた。内容はイエスの活動とその場を描くことに重点をおいている。ローマで 50年前後に書かれたものらしいが議論がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のマルコによる福音書の言及
【原始キリスト教】より
… まずマルコは,受難・復活に至るイエスの生涯を上記(2)の伝承の編集によって復元し,(1)の伝承の宣教内容(福音)に史的状況をとり戻して,ガリラヤの民衆の位置に立ったイエスとの生を示唆することを目的として福音書を創出した。マタイの場合は,《マルコによる福音書》と(2)の伝承,とりわけQ資料(マタイとルカが,《マルコによる福音書》以外に共通の資料としたと考えられている,主としてイエスの言葉から成る仮説的な資料のこと。Qとはドイツ語Quelle(資料)の頭文字をとったもの)および特殊資料(各個福音書にのみ見いだされる特殊な資料)に拠り,彼独自の福音書を編集して,イエスの教えを旧約の律法の完成とみなす立場を打ち出した。…
【福音書】より
…後2世紀以後の呼称で,イエスの言葉と業(わざ)を相互に連関させ,その死にいたるまでを叙述する文書を指す。最古の《[マルコによる福音書]》は後70年ころ,《[マタイによる福音書]》と《[ルカによる福音書]》が80‐90年,《[ヨハネによる福音書]》が100年ころの成立と考えられる。〈……による福音書〉という語法には,元来一つであるべきイエスの救いの〈[福音]〉を異なる複数の視点から表現するものという意味が含まれる。…
【マルコ】より
…《使徒行伝》によれば,マルコの母マリアの家はエルサレムにおける初代教会の集会所であり(12:12),彼はパウロやバルナバとともに異邦人伝道に従事したとされる(12:25~13:13)。《ペテロの第1の手紙》5章13節は彼をペテロの弟子とし,2世紀前半のパピアスは,ペテロの通訳者として彼が《[マルコによる福音書]》を書いたとしているが(カエサレアのエウセビオス《教会史》),その信憑性は疑問視されている。【青野 太潮】
[図像]
《マルコによる福音書》の記述内容から,有翼の獅子を象徴とする。…
※「マルコによる福音書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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