キン青石(読み)きんせいせき(その他表記)cordierite

改訂新版 世界大百科事典 「キン青石」の意味・わかりやすい解説

キン(菫)青石 (きんせいせき)
cordierite

コーディエライトともいう。泥質岩起源の接触変成岩や比較的低圧の広域変成岩に広く出現する造岩鉱物の一つ。花コウ岩,ペグマタイト安山岩やその捕獲岩にも含まれていることがある。化学組成は(Mg,Fe)2Al4Si5O18斜方晶系に属し,比重2.53~2.78,モース硬度7,特徴的な淡青色から濃青色または紫色を呈する。へき開は不明瞭,塊状ないし粒状,まれに六角短柱状結晶として産出する。多片双晶をなすことが多く,泥質岩中には時に三つの双晶の境が変質分解し,六角形の断面がサクラの花びらのような形を示すことがあり,俗に桜石と呼ぶことがある。キン青石は常圧では1210~1470℃で分解融解し,また高圧下では他の固相に変化する。すみれ色透明の結晶は宝石として用いられ,アイオライトioliteと呼ばれている。
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百科事典マイペディア 「キン青石」の意味・わかりやすい解説

キン(菫)青石【きんせいせき】

泥質堆積物起源の片麻岩ホルンフェルス,ときに火山岩,ペグマタイトにも含まれる淡青色,透明,ガラス光沢ケイ酸塩鉱物組成は(Mg,Fe)2Al4Si5O18で,斜方晶系。双晶のため擬六方結晶を作る。AlとSiが完全に無秩序配列する場合は六方晶系でインド石と呼ばれる。

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