桜石(読み)さくらいし(英語表記)cerasite

精選版 日本国語大辞典 「桜石」の意味・読み・例文・類語

さくら‐いし【桜石】

  1. 〘 名詞 〙 菫青石(きんせいせき)一種灰白色をなし、六角柱状で、断面が桜の花に似る。接触変成作用をうけた粘板岩中に産する。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「桜石」の意味・わかりやすい解説

桜石
さくらいし
cerasite

擬六方柱状になった菫青石(きんせいせき)が分解して絹雲母(きぬうんも)や緑泥石などに変化したもの。白、淡桃、淡緑色などで、横断面サクラの花のようにみえるところからこの名がある。京都府亀岡(かめおか)市にある桜天神は、境内からこの鉱物を産することで有名である。

松原 聰]

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改訂新版 世界大百科事典 「桜石」の意味・わかりやすい解説

桜石 (さくらいし)
cerasite

キン(菫)青石という鉱物の一種で,六角形をした桜の花びらのようにみえる。大きさが直径0.5~1cm,長さ2~3cmである。京都府亀岡市稗田野付近に産出するものは江戸時代から知られており,天然記念物(稗田野の菫青石仮晶)に指定されている。成因は,花コウ岩が粘板岩に熱変成を与え,ホルンフェルスに変わった際に,岩石の中に生成した結晶(偽六方双晶)である。それが風化して桜の花模様を現すようになった。
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