出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1895~1971
イギリスの代表的なイスラーム研究者。ロンドン大学,オクスフォード大学教授。イスラーム史,アラブ古典文学研究者として名声を博したが,同時代の中東イスラーム社会や現代アラブ文学にも強い関心を抱き,一時代を築いた。55年ハーバード大学に移った後は「東洋学と社会科学の結婚」をめざし,アメリカにおける中東地域研究の形成と発展に尽力した。代表作に『イスラーム文明史』などがある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
… 他方で,それに,古典学の方法と伝統(言語哲学と文献学)の延長線上に開花してきた東洋学と東洋美術・文化研究(オリエンタリズム)がはぐくんだ非西欧文化世界の現代思想・文学,政治・宗教運動への関心と並行して,〈社会科学と東洋学の結婚〉を模索してきた傾向が合流する。イギリスのイスラム研究者H.A.R.ギブがその中心的人物であったが,そのとき研究対象は〈大〉文化圏であったし,社会科学の視座と方法は汎大西洋圏の経験を普遍化した〈一国世界論〉の論理を体系化したものであったので,地域研究を志向する側からの不満は早晩明確になるはずであった。 そこに潜在した問題発想を切り開く役割を果たしたのは人類学であって,この学問は,少数民族を含め,すべての文化の価値が大文化(近代文明)と等価であること,民族文化の多様性,異質性にこそ存在理由があることを承認し主張してきたのであった。…
※「ギブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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