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社会科学 しゃかいかがく social sciences

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会科学
しゃかいかがく
social sciences

社会における人間行動を科学的,体系的に研究する経験科学の総称。自然科学に対する。社会学,政治学,経済学,法学,社会心理学,教育学,歴史学,文化人類学などが含まれる。 18世紀に A.スミス,A.ファーガソンらによって経済的社会論が展開されたことに始り,19世紀初頭に A.コントによって社会学が提唱され,ドイツイギリスなどヨーロッパ諸国で社会科学の名称が使用されるようになり,その主要領域が独立の学問として認められるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

しゃかい‐かがく〔シヤクワイクワガク〕【社会科学】

社会現象を研究の対象とする科学の総称。政治学法律学経済学社会学社会心理学教育学歴史学民族学およびその他の関係諸科学。→自然科学人文科学

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百科事典マイペディアの解説

社会科学【しゃかいかがく】

経済学,政治学,法律学,社会学など,社会に関する科学的研究の総称で,自然科学と対照的に用いられる。研究方法は実証的・合理的であるが,その対象である社会的人間の世界は歴史的であり,諸要素も複雑であり,さらに実験が許されないため,自然科学のように単純で厳密な一般法則を定立することは困難である。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいかがく【社会科学 social science】

社会科学とは,自然に対比された意味での社会についての科学的な認識活動,およびその産物としての知識の体系をいう。この定義で中枢的位置を占めているものは〈社会〉という語および〈科学〉という語の二つであるから,以下これらについて注釈を加えよう。 〈自然〉対〈社会〉という対概念は,古代ギリシアの哲学者によるフュシスphysis対ノモスnomosという対概念以来のもので,フュシスは人間とは無関係に存在しその法則に人間が介入しえない世界という意味での自然を意味し,これに対してノモスは習慣や法律や制度など人間が人為的につくったものを意味した。

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大辞林 第三版の解説

しゃかいかがく【社会科学】

社会現象を実証的方法によって分析し、その客観的法則を明らかにしようとする学問の総称。研究対象により、経済学・政治学・法律学・社会学・歴史学などに分かれる。 → 自然科学人文科学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会科学
しゃかいかがく
social science

英語ではsocial sciencesと複数でいう場合もある。このときの社会諸科学は、個別科学としての経済学、法学、政治学などの総称とみなされる。社会学については、個別科学として社会諸科学の一分野であるのか、社会科学と同じものであるのかについて議論がある。また、科学を自然科学、人文科学人間科学)、社会科学の3分野に分けて社会科学を定義する立場と、それに反対する立場がある。[河村 望]

近代科学の成立

近代科学は、まず自然科学から始まる。自然を知るということは、実験という方法を使用して自然法則をとらえることだとされ、分析的方法が重要視された。物質は、これ以上分割できないかたまりに還元され、目に見えない微粒子の質と量が物質とされたのである。英語のmassは「質量」と訳されるが、この訳の前提は、質でも量でもないかたまりとしての微粒子がまず存在するというものである。1個のHや1個のOという原子があるのではなく、抽象的微粒子としての原子がまず存在し、それが2個のHと1個のOという質と量をもって水という分子になるという考え方である。こうして、抽象的なものが存在する絶対的時空間と、それを理性的に観察する外部の人間としての科学者という暗黙の前提が、近代の自然科学においてみられる。ちょうど、世界をつくる以前の神の居場所がないのと同じように、宇宙を観察する科学者には居場所がないのである。宇宙の始まりをビッグ・バンで説明する科学者は、そのビッグ・バンがどこで起きるかをまったく問題にしないのである。しかし、このような限界をもちながらも、自然科学の実験的方法は、科学的理論は検証されるべき仮説であって、仮説の真偽は実験によって検証されるという科学の基本的立場を確立させた。[河村 望]

市民社会の形成と社会科学

近代科学としての社会科学は、まず、ホッブス、ロック、ルソーの社会契約説として成立した。近代自然法の理論は、王権神授説のような、秩序形成を外的強制力によって説明する立場に反対して、自由で平等な個人の相互の契約によって政治社会が形成されるとした。しかしこの場合も、約束に違反したときには、強制力が当然の前提にされたのである。民主主義における多数決も、多数者の少数者に対する公権力による強制が前提にされた。
 A・スミスによって代表される古典経済学は、各人の私的利益の自由な追求が、それ自体で市民社会の自立的秩序をつくりだすとした。スミスは、この秩序形成を、第三者の同情または同感によって説明した。すなわち、主要当事者(第一者)は観察者(第三者)の同感を得ようとする本性を備えているから、同感を得られないような不正行為は自己規制され、国家強制力をほとんど必要とせずに正義(自然法)が守られ、秩序が形成されるというのである。この同感は「想像上の境遇の交換」であるが、スミスの場合、当事者相互の同感ではなく、主要当事者、第一者に対する第三者の是認であり、当事者の感情と観察者の感情が、想像上の境遇の交換を通して同感されることで、第三者は主要当事者のなかに内面化して、「胸中の人」になるのである。もちろん、この第三者は場面が変われば当事者になる人である。すなわち、AとBが当事者のときはCが第三者であるが、AとCが当事者であるときはBが第三者で、CとBが当事者であるときはAが第三者なのである。この理論は、あらかじめ第三者、観察者が存在する時空間を、当事者同士の関係という時空間とは別のところに置いている点で、重大な欠陥をもっている。想像上の境遇の交換は、まず最初に、自分のつくる商品を買ってくれるであろう相手(第二者)となされるべきである。[河村 望]

マルクス主義の社会科学

マルクスは、社会を土台、経済構造と上部構造に分けて、土台における階級的搾取関係、階級対立が、上部構造を規定していると考えた。彼は、土台における過程の進行は、自然科学と同じ精密さで科学的にとらえられるとした。労働生産物、それのもつ使用価値、それをつくりだす具体的有用労働、労働過程は、資本主義的生産のもとでは、商品、それのもつ価値、それをつくりだす抽象的人間労働、価値増殖過程と不可分のものになり、生産手段を所有しない労働者は、労働力という商品の所有者になり、資本の所有者である資本家に搾取されるに至った、という理論が『資本論』のなかで展開されていった。また、マルクスは、商品交換のなかで特殊な商品として貨幣が生まれ、商品の価値形態が貨幣形態になる過程を明らかにし、スミスのように、貨幣を所与の第三者として想定しなかった。こうして、資本主義社会の経済法則、剰余価値法則が明らかにされたのであるが、マルクスにあって、この経済法則は、需要と供給が究極的に一致するという状況、すなわち、生産されたものはすべて消費されるという想定のもとでの法則であった。だが、現実の資本主義国におけるさまざまな民族的・文化的価値理念を、経済的価値法則の貫徹を妨げる夾雑物(きょうざつぶつ)としてとらえる方法には、重大な限界があったといえよう。資本主義社会から社会主義・共産主義社会への移行の歴史的必然を説くマルクス主義の社会科学の欠陥は、現実の社会主義国の崩壊によっても明らかになった。[河村 望]

ウェーバーの社会科学の方法

M・ウェーバーは、社会学を人間の社会的行為に関する学問としてとらえ、理解社会学の方法を基礎とした、経済法則の発見とは異なる種類の社会科学を構築した。理解社会学の方法というのは、行為の動機、行為者によって主観的に思われた行為の意味を理解する方法で、彼は、経済学や法学が行為の客観的に妥当する意味を解明するのに対して、社会学は行為の主観的に思われた意味を解明するという。彼は、原因と結果の関係を、一般法則としてではなく、個別的・歴史的関連としてとらえる。まず、行為の目的と結果の関連が問題にされ、生じた結果から原因がとらえられた。「風が吹けば桶(おけ)屋がもうかる」という原因と結果の関係は、因果法則ではなく、個別の因果関連であるから、「桶屋がもうかる」という結果が生じなければ、風が吹いただけでは、原因にならない。ウェーバーは、プロテスタントの地上における神の栄光を増すための職業労働への献身と禁欲の精神が、資本の蓄積という予期せぬ結果を生み、プロテスタントの宗教倫理が西欧の合理的資本主義をもたらしたと主張したのである。このように、行為の「目的→結果」の関連を、行為の「結果→原因」の関連に組み替えることによって、歴史の客観的な過程を把握するというのが、ウェーバーの社会科学の方法なのである。[河村 望]

新しい社会科学の建設

ウェーバーの社会的行為の理論の場合にも、研究者が、行為者によって主観的に思われた意味をどのように理解するかが問題になる。ウェーバーにあっては、社会学者によって外から理解可能な行為として、目的合理的行為と価値合理的行為があげられ、感情的行為と伝統的行為は、他者からの理解が不可能な非合理的行為とされたのである。現代の社会学におけるシンボリック相互作用論は、研究者が、第三者として行為者の動機を観察して理解するという従来の枠組みを破って、他者の理解を、自分のなかの他者の理解、他者の態度を取得している自己の観察という次元でとらえ、内省的社会学の方法を確立したのである。[河村 望]
『K・マルクス、F・エンゲルス著、長谷部文雄訳『資本論』(1951~54・青木書店) ▽A・スミス著、水田洋訳『道徳感情論』(1973・筑摩書房) ▽内田義彦著『作品としての社会科学』(1981・岩波書店) ▽梶谷素久編訳『社会学の歴史――国際学会論集』(1989・学文社) ▽J・デューイ著、河村望訳『人間性と行為』(1995・人間の科学社) ▽黒木貞夫著『社会システム概論 システム論でみる現代社会』(2001・文芸社) ▽降旗節雄著『科学とイデオロギー』(2001・社会評論社) ▽M・ウェーバー著、富永祐治・立野保男訳『社会科学方法論』(岩波文庫) ▽K・マルクス著、城塚登・田中吉六訳『経済学・哲学草稿』(岩波文庫) ▽大塚久雄著『社会科学における人間』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の社会科学の言及

【科学】より

…科学とは今日通常は自然科学を指す。人文科学,社会科学という呼び方もある。元来は英語(もしくはフランス語)のscienceの訳語として19世紀末に日本で造られた単語であり,その後中国にも輸入された。…

【社会】より

…明治の初年に日本の知識人たちが,これらの西洋語を〈仲間〉とか〈交際〉などと訳したのは語義として当たっていたということができる。 しかし西洋語のこれらの概念は,いずれも近代初頭,すなわち17~18世紀において社会科学の母体をなしたイギリスおよびフランスの啓蒙思潮と,その系譜を引くイギリスの道徳哲学および古典派経済学,フランスの理性主義的進歩史観および実証哲学,ドイツの観念論哲学などの諸思想の中で,〈市民社会civil society,bürgerliche Gesellschaft〉という,抽象化された概念へと高められ,近代思想の中核を形成するにいたる。この抽象化された中核概念をあらわすのに,日常性の中での具体的イメージを担った〈仲間〉とか〈交際〉ではぐあいが悪い。…

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