日本大百科全書(ニッポニカ) 「クアッガ」の意味・わかりやすい解説
クアッガ
くあっが
quagga
[学] Equus quagga
哺乳(ほにゅう)綱奇蹄(きてい)目ウマ科の動物。シマウマの1種で、南アフリカ共和国南部の平原やサバナ(サバンナ)に群れをつくって多数いたが、絶滅した。体高1.35~1.38メートルで、サバンナシマウマE. burchelliより大きい。白色の縞(しま)模様は頭、頸(くび)、胴の前半分だけにあり、地色は栗(くり)色か茶色で、体の下面と四肢は白色。ウマでは前後肢の内側にある夜目(よめ)というたこ状の無毛部は、ロバと同じく前肢のみにあるが小形で、ひづめはやや大きく、耳は短めで、ロバよりはウマに似た体をしている。本種をサバンナシマウマと同一種とする説もあるが、両者は生息地が重なっていながら交ざることなく別の生活をしていたことから、別種として扱われることが多い。
クアッガの絶滅の原因は、肉や皮を目的とした人間による乱獲で、1878年に野生のものはいなくなった。飼育例もいくらかあるが、最後の個体は1883年にアムステルダムの動物園で死亡した。名前は鳴き声に由来する。
[祖谷勝紀]