日本大百科全書(ニッポニカ) 「クズアナゴ」の意味・わかりやすい解説
クズアナゴ
くずあなご / 屑穴子
pored-brow duckbill
[学] Nettastoma parviceps
硬骨魚綱ウナギ目クズアナゴ科に属する海水魚。東北地方以南の太平洋岸、台湾南部、オーストラリア南東部、ニュージーランド、アフリカ南東部、ハワイ諸島に分布する。体は少し側扁(そくへん)した細長いウナギ形。吻(ふん)は細長く、くちばし状にとがる。吻端に細長い肉質の突起がない。口は大きく、眼の後方まで開く。両顎(りょうがく)および鋤骨(じょこつ)に幅広い絨毛(じゅうもう)状歯帯がある。後鼻孔は目の後縁背方にある。胸びれがない。鱗(うろこ)もない。各ひれは淡色だが、尾部後方部の縁辺は黒い。全長72センチメートルほどになる。水深60~1190メートルにすみ、まれに底引網で捕れる。キセルクズアナゴとは吻端に肉質の長い突起がないこと、後鼻孔は目の後縁の背面にあることなどで区別できる。
[尼岡邦夫]