日本大百科全書(ニッポニカ) 「クランジノキ」の意味・わかりやすい解説
クランジノキ
くらんじのき
tamarind plum
[学] Dialium indum L.
マメ科(APG分類:マメ科)の常緑高木。ジャワではクランジkrandjiとよぶ。高さ30メートルで、樹皮に赤色の樹液を含む。葉は数対の複葉からなり、各小葉は楕円(だえん)状披針(ひしん)形で長さ5~6センチメートル、幅3センチメートル。花は白色で、円錐(えんすい)花序につく。雄しべは2本。果実は小さく長さ2~3センチメートル、果皮は紫黒色、表面に毛がある。果肉は甘く、中に種子が1個ある。マレー半島、タイ、東インド諸島、フィリピンに分布する。果実を食用とするほか、材は黄赤色で堅く、家具、舟材とする。本属の植物は、熱帯南アメリカの1種を除き、40種が熱帯アフリカ、東南アジアに分布する。果実は食べられるものが多く、用材用も多い。
[飯塚宗夫 2019年10月18日]