クレシラス(読み)くれしらす(その他表記)Kresilas

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレシラス」の意味・わかりやすい解説

クレシラス
くれしらす
Kresilas

生没年不詳。古代ギリシアの彫刻家。クレタ島のキュドニア出身で、紀元前5世紀中ごろにアテネで活躍した。代表作に『ペリクレス像』(ローマ時代模刻、大英博物館バチカン美術館)がある。彼はまた、フェイディアスポリクレイトスと競作した『傷つけるアマゾン』(ソシクレス模刻、ローマ・カピトリーノ美術館)の作者として知られている。アテネのアクロポリスには彼の署名のある彫刻の台座が残されている。

[前田正明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレシラス」の意味・わかりやすい解説

クレシラス
Krēsilas

古代ギリシアの彫刻家。前 450~425年頃アテネで制作。アクロポリスにその名を刻んだ彫刻台座が3点残っている。フェイディアス,ポリュクレイトスなどと競作し『エフェソスのアマゾン』 (模刻,メトロポリタン美術館) の像を制作したことをプリニウスが伝えている。また現在,大英博物館とバチカン美術館に模刻がある『ペリクレス』の肖像を制作。

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