ポリュクレイトス(英語表記)Polykleitos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリュクレイトス」の意味・わかりやすい解説

ポリュクレイトス
Polykleitos

前5世紀後半に活躍したギリシア彫刻家シキュオンの生れ。アルゴスのアゲラダスに師事したといわれる。青銅彫刻にすぐれ,有名な『ドリュフォロス (槍を持つ男) 』 (ローマ時代の模刻,ナポリ国立考古学博物館) や『ディアドゥメノス (勝利の紐を頭に結ぶ男) 』の作者で,青年の人体各部の最も美しい比例を数的に算出し,『カノン (規範) 』を著わした。上記の作品はその数的比例に基づいて制作された男性の理想像で,これらによれば,頭部が全身長の7分の1を占めている。著作も青銅の原作も現存しないが,ローマ時代の大理石の模刻がアテネ国立考古学博物館やナポリ国立美術館などに残されている。

ポリュクレイトス
Polykleitos

古代ギリシアの彫刻家,建築家。前4世紀に活躍したと思われる。『ドリュフォロス』『ディアドゥメノス』の作者と同じ家族。現存する模刻には確証的な作品はないが,ポリュクレイトスの銘のある模刻は明らかに前4世紀頃の特徴を示し,前5世紀の同名の彫刻家のものとは考えられない。建築家としてはエピダウロス劇場トロス (前 360~330,現在は廃虚) の作家として知られている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android