ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレタ陶器」の意味・わかりやすい解説 クレタ陶器クレタとうきCretan pottery クレタ島で前 2000年頃より前 1100年頃までに作られた彩文土器。草花や海洋動物などをモチーフとした文様で知られる。前期,後期に大きく区分され,前期は中期青銅器時代 (前 2000~1500) に相当し,黒地に赤や白の単色で,ゆり,すいれんなどの花文を器全面に描いた点に特色があり,カマレス陶器の別称で呼ばれる。カマレスはこの種の陶器を多く出土した洞窟名。後期は後期青銅器時代 (前 1500~1100) に相当し,陶器の素地は明るくなり,たこや魚,海藻などの海の動植物が主要モチーフとなる。人物や地上の動物のモチーフはほとんど使われなかったが,ゆりなど若干の地上植物は使われた。ドーリス人の南下によってクレタ文明が滅んだときクレタ陶器も廃絶したが,のちのギリシア陶器に大きな影響を与えた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by