ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレメンス14世」の意味・わかりやすい解説
クレメンス14世
クレメンスじゅうよんせい
Clemens XIV
[没]1774.9.22. ローマ
リミニ近郊出身の第249代教皇(在位 1769~74)。本名 Giovanni Vincenzo Antonio Ganganelli。リミニのイエズス会学校で学び,フランシスコ修道会に入って修道名をロレンツォ Lorenzoとした。学術関係の職位を歴任したのち,当時迫害を受けていたイエズス会との親密な関係を買われ,1759年に教皇クレメンス13世(在位 1758~69)により枢機卿(→カーディナル)に任命され,1769年5月に教皇に選出された。当時ポルトガルは,イエズス会が根絶されないことを理由にポルトガル王ジョゼ1世(在位 1750~77)がポルトガルをカトリック教会から離教させて 9年目になっていた。クレメンス14世はポルトガルとの関係を修復する一方,フランスとスペインの離教を恐れ,1773年イエズス会を解散させた。会が本来の目的を遂行できない状態にあることと,教会に平穏をもたらしたいことを理由にあげた。1774年9月に死去した際,毒殺の噂が流れたが,検死の結果は自然死であった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報