クロカミキリ(読み)くろかみきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロカミキリ」の意味・わかりやすい解説

クロカミキリ
くろかみきり / 黒天牛
[学] Spondylis buprestoides

昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属する昆虫。旧北区全域に広く分布し、日本各地にも多い。体長12~25ミリメートル。黒色光沢が鈍く、下面は黄褐色毛を密生する。頭は前に突き出し、前胸は球形触角は短く前胸後縁に届く程度で数珠(じゅず)状。成虫は6~9月に現れ、マツスギなど針葉樹倒木にみられ、灯火にもくる。幼虫は針葉樹の材や枯れ木に孔(あな)をあける害虫である。マルクビカミキリ類に近いが、クロカミキリ亜科Spondylinaeを置く学者もある。

[中根猛彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロカミキリ」の意味・わかりやすい解説

クロカミキリ
Spondylis buprestoides

鞘翅目カミキリムシ科。体長 12~23mm。体は比較的短太の円筒形状,前胸は球状である。全体に黒色で光沢が鈍く,体下面は黄褐色の微毛におおわれる。雄の上翅には各3本の縦隆起線がある。触角はじゅず状で短く,上翅基部に達しない。大腮は大きい。幼虫はマツの材中に穿孔し,食害する。成虫は夏季出現する。北海道本州四国,九州,シベリア,ヨーロッパに分布する。

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「クロカミキリ」の解説

クロカミキリ
学名:Spondylis buprestoides

種名 / クロカミキリ
目名科名 / コウチュウ目|カミキリムシ科
解説 / 夜行性です。
体の大きさ / 11~23mm
分布 / 北海道~南西諸島
成虫出現期 / 5~11月
幼虫の食べ物 / クロマツアカマツモミなど

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世界大百科事典(旧版)内のクロカミキリの言及

【カミキリムシ】より

…また輸入材の増大に伴って外国産の種がしばしば発見されるようになった。 成虫の活動はノコギリカミキリ類,ホソカミキリ類,クロカミキリ類,マルクビカミキリ類(いずれも原始的な亜科)では薄暮や夜間に見られ,色彩も黒や褐色で目だたないものが多い。これらの種類は夜間,樹液や灯火に飛来する。…

※「クロカミキリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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