日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロサンショウウオ」の意味・わかりやすい解説
クロサンショウウオ
くろさんしょううお / 黒山椒魚
[学] Hynobius nigrescens nigrescens
両生綱有尾目サンショウウオ科のサンショウウオ。東北、北陸地方および北関東の山地から低地にかけて広く分布する。背面は黒褐色で、黄褐斑(はん)をもつ個体も多い。腹面は灰色。サンショウウオ科のなかでは大形の部類に属し、全長15センチメートルに達する。池などのやや深い止水で繁殖する。産卵は2、3月に始まり、山地では夏季に及ぶ。卵嚢(らんのう)の形状は特異で、アケビ形。ゼリーの内層は通常白濁し、卵はほとんどみえない。卵径約3ミリメートル。1対の卵嚢中の卵数は、低地で100個前後、1000メートル以上の高山では半減する。佐渡島のものは亜種サドサンショウウオH. n. sadoensisとして区別されている。
[倉本 満]