百科事典マイペディア 「クロスカップリング」の意味・わかりやすい解説 クロスカップリング 有機化学でカップリングは結合形成を意味するが,クロスカップリングは有機合成化学の用語で,異なる構造をもつ二つの分子を結合させて一つの分子にする化学反応のこと。カップリング反応の一種である。特に,結合させることが難しい,有機化合物を構成するベンゼン環などの炭素どうしを選択的に結びつける化学反応を指す。パラジウムを触媒に用いる溝呂木-ヘック反応,根岸カップリング反応,鈴木カップリング反応などが知られ,多彩なクロスカップリングのなかからとくに有用な医薬・農薬・液晶などの製造への利用に貢献した業績に対して,2010年ノーベル化学賞がR.F.ヘック,根岸英一,鈴木章の3名に授与されている。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報