アメリカの実験物理学者。ドイツに生まれたが、翌1912年アメリカに移住し、1922年に帰化した。1936年、イリノイ大学で分子スペクトルの分析の研究で学位を取得した。第二次世界大戦中はウェスティングハウス電気会社技師、コロンビア大学軍事研究協力員、ベル電話会社研究所(後のベル研究所)員としてマイクロ波発振器の研究開発に従事した。1949年以来コロンビア大学の物理学教授を務め、分子線法による原子線分子線研究プロジェクトに参加、1955年には電子の磁気モーメントの精密測定の業績によりノーベル物理学賞を受賞。なお、水素スペクトルの微細構造を研究したラムとの同時受賞であった。翌1956年アメリカ科学アカデミーの会員に選出された。
[高橋智子]