クーシュ(読み)くーしゅ(その他表記)Polykarp Kusch

デジタル大辞泉 「クーシュ」の意味・読み・例文・類語

クーシュ(Polykarp Kusch)

[1911~1993]米国物理学者ドイツの生まれ。1912年渡米、翌年帰化。マイクロ波発振器の開発電子磁気モーメントの精密決定などに貢献した。1955年、W=E=ラムとともにノーベル物理学賞受賞クッシュ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーシュ」の意味・わかりやすい解説

クーシュ
くーしゅ
Polykarp Kusch
(1911―1993)

アメリカの実験物理学者。ドイツに生まれたが、翌1912年アメリカに移住し、1922年に帰化した。1936年、イリノイ大学分子スペクトル分析の研究で学位を取得した。第二次世界大戦中はウェスティングハウス電気会社技師、コロンビア大学軍事研究協力員、ベル電話会社研究所(後のベル研究所)員としてマイクロ波発振器の研究開発に従事した。1949年以来コロンビア大学の物理学教授を務め、分子線法による原子線分子線研究プロジェクトに参加、1955年には電子の磁気モーメントの精密測定業績によりノーベル物理学賞を受賞。なお、水素スペクトルの微細構造を研究したラムとの同時受賞であった。翌1956年アメリカ科学アカデミーの会員に選出された。

[高橋智子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android