日本大百科全書(ニッポニカ) 「グッタペルカノキ」の意味・わかりやすい解説
グッタペルカノキ
ぐったぺるかのき
gutta-percha tree
[学] Palaquium gutta Burck
アカテツ科(APG分類:アカテツ科)の常緑高木。ガタパーチャともいう。マレー半島、スマトラ、ボルネオ、フィリピン南端に分布する。高さ20メートル。葉は長楕円(ちょうだえん)形、長さ10~20センチメートル、幅約4センチメートルで、裏面には細毛が密生して黄金色を呈し、長さ3センチメートルほどの葉柄につながる。花は淡緑白色、径2センチメートル、車輪状に6深裂し、葉腋(ようえき)に2~6個つく。果実は卵形、肉質で3.5センチメートル、中に1~3個の種子がある。
グッタペルカノキを含むアカテツ科の数種の樹木の幹に多数の傷をつけて採取されるゴム状物質をグッタペルカという。以前は主としてグッタペルカノキから採取されたが、乱伐の結果ほとんど絶滅し、現在では近縁のP. oblongifolium Burckを栽培してグッタペルカを採取している。成分はグッタペルカを75~82%のほか、フルアビル4~6%、アルバン14~16%を含む。
[星川清親 2021年3月22日]