グループ・テクノロジー(読み)ぐるーぷてくのろじー(その他表記)group technology

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グループ・テクノロジー」の意味・わかりやすい解説

グループ・テクノロジー
ぐるーぷてくのろじー
group technology

多品種少量生産の効率をあげるための技法。市場需要の多様化は、多品種少量生産を不可避にし、近年その傾向が強まっているが、この生産方式は、少品種多量生産に比べて効率低下を免れない。しかし、外見的に多様な製品でも、共通した加工方法を用いることが可能な類似点をもち、あるいはもたせることができる。この点に注目し、共通加工方法によりグループをつくり、ロット生産(あるまとまった量=ロットを交互に生産する)の利点を多品種少量生産に持ち込もうとする技法である。そのためには、まず製品設計段階で共通加工方法が使用できるような配慮が必要となる。また、各加工グループに対応する設備、機械治具工具についても共通性を高め、交互生産のための段取り(準備)に要する時間・労力の節約運搬等の間接作業の合理化を図り、コストの低減と生産性向上の追求が要求される。

[森本三男]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「グループ・テクノロジー」の解説

グループテクノロジー

多品種・小ロット生産を効率的に行なうために生み出された生産方法。ニーズの多様化に対応するため、生産手段はより高度化、複雑化している。しかし、それに比例して、多品種を生産する場合、同様の製品を一括加工するケースに比べ生産効率は落ちてしまう。その問題を解決する生産手段がグループテクノロジー。生産に関わる資材部品、設計、工具など多岐にわたる生産情報を分類、加工方法や対象の形状を数値化することで、多品種生産にも迅速に対応、生産ロスや設備コストの抑制を実現する。反復製品や類似製品を生産する場合は、過去の生産情報を通じて効率的な生産が可能となる。生産現場の情報ネットワーク化によって実現した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グループ・テクノロジー」の意味・わかりやすい解説

グループ・テクノロジー
group technology

類型加工法類似部品加工法グループ加工法などと訳される。機械工業などにおいて多種少量生産を行う場合に,形状,寸法あるいは加工法などが似ている類似工作物を集めてグループ分けし,それぞれのグループごとに適切な工作機械群と治工具を使用して加工を行うこと。第2次世界大戦後まもなくソ連で考案され,その効果が認められて以来西ドイツを中心にヨーロッパやアメリカへ広まった。日本では 1966年頃から取上げられはじめた。

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世界大百科事典(旧版)内のグループ・テクノロジーの言及

【工程管理】より

…製品の種類が相違しても,構成品や部品には共通性のあるものがあり,それらは一まとめにして加工するほうが有利である。このような問題を処理する手法としてグループテクノロジーgroup technologyやMRP(material requirements planningの略)などがある。多種少量生産においては,加工工程経路,受注量,受注日,納期を異にした多種多様の製品が構成品や部品に展開されて,さまざまの加工設備を通っていく。…

※「グループ・テクノロジー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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