ロット(その他表記)lot

翻訳|lot

デジタル大辞泉 「ロット」の意味・読み・例文・類語

ロット(lot)

同一仕様の製品や部品を生産単位としてまとめた数量。「ロット単位で取引する」
ロト1」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ロット」の意味・読み・例文・類語

ロット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] lot ) 生産、または生産物(商品)の単位数量。製品の均一性を保つために、製品を一定個数ずつにまとめたものの集まりをいう。〔流通革命(1962)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ロット」の意味・わかりやすい解説

ロット
lot

最もふつうの意味では,ひとまとまり,一組,一群,一口,一山などの意味に用いられ,〈バッチbatch〉と同義語的に用いられるが,ここでは生産関係用語として説明する。

(1)品質管理用語として 〈等しい条件下で生産され,または生産されたと思われる品物の集まり〉(JIS品質管理用語)。〈ロットに含まれる単位体の数,または集合体の量〉を〈ロットの大きさlot size〉といい,〈ロットの集団としての良さの程度〉を〈ロット品質lot quality〉という(同上)。

(2)生産管理用語として 〈何らかの目的をもって取りまとめた同種の品物の集まり。その目的によって,発注ロット購買ロット生産ロット,運搬ロット,検査ロットなどと呼ぶ〉(JIS生産管理用語)。例えば,ある工程系列の生産能力が同一品種に対する需要量に比べて大きい場合,その工程系列では複数の品種を組み合わせてロット生産を行う。この場合,それぞれの品種の生産ロットの大きさ(それぞれの品種の1回当りの生産量)が生産管理上重要な問題となる。
執筆者:


ロット
Lorenzo Lotto
生没年:1480-1556

イタリア盛期ルネサンスの画家ベネチアに生まれる。トレビゾTreviso,ベルガモ,ベネチアそしてアンコナで活動した後,最後の地となったロレートで1554年,平修道士となる。初期の作品にはジョバンニ・ベリーニの影響がみられるものの,ベルガモやベネチアを本拠地としていたころは,ボッティチェリラファエロさらにはドイツのデューラーホルバインの特徴をも作品の中にとり入れ,自身の作風を形成した。祭壇画肖像画にうかがえる人物の内面描写は比類ない感性の賜物といえる。美術史家B.ベレンソンがこよなく愛した画家としても知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロット」の意味・わかりやすい解説

ロット(Lorenzo Lotto)
ろっと
Lorenzo Lotto
(1480ころ―1556)

イタリアの画家。ベネチア生まれと推定される。20歳ごろまでの足跡は不詳。その活動が記録によって知られる1503年ごろ以降の画家の生涯は、ロレートの修道院において労働修士として2年間を過ごしたのち没するまで、一か所に長く定住することはなく、トレビーゾ、ベルガモ、ベネチア、イエージ、アンコーナなど、北イタリアおよびマルケ地方のいくつかの地点を転々とする生活であった。孤独、不安と焦燥、貧困、芸術家としての不遇といった不幸な陰が生涯を覆っている。09年にはローマにあってバチカン宮殿の装飾に携わったことが記録から知られる。アントネッロ・ダ・メッシーナ、ジョバンニ・ベッリーニ、デューラー、ラファエッロら多くの美術家の与えた影響の跡が認められるにもかかわらず、ロットの芸術は、むしろ、その独創性において際だっている。強烈な訴えかけを伴う独特な形式的解決と光と影の用い方とをみせる宗教画(たとえば「サン・ベルナルディーノ祭壇画」1521、ベルガモのサン・ベルナルディーノ・イン・ピニョーロ聖堂)や、対象のやや緊張した心理を巧みにとらえた肖像画は、19世紀末より大きな評価を受けるに至っている。

[西山重徳]


ロット(生産量)
ろっと
lot

ある特定の目的のために集められた材料、部品、または製品などの集まりをいう。製造に関しては、その性質上、加工ロット、工事命令ロット、さらに移動ロットに分けられる。また、一つのロットに含まれる個々の品物の数または単位量の数をロット・サイズという。さらに、個別生産と連続生産の中間的な形態をロット生産という。この場合、1回の生産量(すなわちロット)をいくらにするかが問題になる。生産の進度管理の便宜上、大部分の部品のロットは、組立ての月産台数に一致するが、加工時間の短い小物部品のロットは、経済的なロットの考え方によって数か月分をまとめて加工することがある。

[玄 光男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ロット」の意味・わかりやすい解説

ロット

イタリア・ルネサンス期のベネチア派の画家。ベネチアを中心に各地で活動。ビバリーニベリーニらの影響を受け,温かい親近感とベネチア派特有の色彩豊かな絵画性とをもった壁画や祭壇画,肖像画を描いた。代表作に《受胎告知》(1527年―1529年ころ,レカナーティ,市立美術館蔵)や《ルクレティアに扮した婦人の肖像》(1528年―1530年ころ,ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)などがある。

ロット(統計)【ロット】

検査,調査のため,等しい条件下で作られた材料,部品,製品などの単位体または単位量をひとまとめにしたもの。ロットに含まれる単位体または単位量の数をロットの大きさという。ロットから標本を抽出して検査し,その合格・不合格を判定する。→抜取検査

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロット」の意味・わかりやすい解説

ロット
Lotto, Lorenzo

[生]1480. ベネチア
[没]1556. ロレート
イタリアの画家。初め A.プレビターレに師事し,次いで A.ビバリーニに学んだ。しかし 1509年のローマ行きから,ベルガモ (1526) ,トレビソ (32) ,マルケ地方 (35) などと各地を放浪し,またときどき故郷にも現れている。その作品にも,ラファエロ,コレッジオ,デューラー,また後年にはジョルジョーネ,パルマ・ベッキオらの複雑な影響が認められる。それにもかかわらず,彼の個性はこれらの諸影響のなかにあっても明確で,独特の銀灰色調のもとに細部に拘泥しない素朴な力強さをもつ独自の様式を展開させた。特に肖像画に優品があり,『ジュリアーノの肖像』 (ロンドン,ナショナル・ギャラリー) ,『ルクレツィアに扮した貴婦人像』 (同) などが知られる。 54年からロレートのサンタ・カーサ修道院で過し,2年後同地で没した。

ロット
lot

(1) 1回に生産する特定数の製品の単位。普通には毎日連続して生産するほどの量でないとき,月産または年産のロット数を決めて,不連続に繰返し生産する。原料,設備,人員などからみた最小経済単位が基準。この方式をロット生産といい,個別生産と大量生産の中間形態といえる。 (2) 製品の質を管理するため,同一原料,同一工程で生産されたグループを示す番号。特に薬品,ワクチン,飲料の原液に使用。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

カメラマン写真用語辞典 「ロット」の解説

ロット

 英語の lot 。意味は 「群」「組」「ひと口」 。カメラなどを生産する際の最小製造数の単位。カメラやレンズなどの製品は、部品の調達度合や生産ラインの効率的な使用に応じて、1回に生産する数を決め、数回に分けて生産するのが一般的。こうした 1回の生産で出来上がった製品すべてをまとめて(グループ化して) 「1ロット」 などと呼ぶ。  また、「初期ロット」 と使われる場合は、生産を開始してからまだ間もないロットのことを指す。同一ロット内では、使われる部品も同じロットの場合が多く、製品の個体差 (品質の違い) は少ない。逆に、トラブルが発生する場合も同じロットから出る場合が多いということになる。日本語にすると 「一生産」「ひと山」「ひと組」 とわかりづらいためか、ロットという言葉の方が流通しているようだ。

出典 カメラマンWebカメラマン写真用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のロットの言及

【ベネチア派】より

…ジャンル的には,とくにベネチア派独自のものとして街景画(ベドゥータveduta)と肖像画をあげることができよう。ヤコポ・ベリーニ以来の人物より環境空間を重視する傾向は,一方ではジョバンニ・ベリーニ,ジョルジョーネ,初期のティツィアーノという抒情的な理想郷的風景表現の系譜となり,他方でジェンティーレ・ベリーニやカルパッチョから18世紀のカナレット,ベロットに至る都市空間を明晰な遠近法で再現する街景画の系譜となって,近代的風景画の中に流れ込んでいく(この中でグアルディは街景画を非現実的な詩的幻想に転じたことで異色の存在である)。一方,肖像画は,ジョバンニ・ベリーニやアントネロ・ダ・メッシナからロット,ティツィアーノ,ティントレットに至る伝統が,濃密な生動感と鋭敏な精神性をたたえた近代的肖像画の源泉として輝かしい光彩を放っている。…

※「ロット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android