治具(読み)じぐ(英語表記)jig

翻訳|jig

日本大百科全書(ニッポニカ)「治具」の解説

治具
じぐ
jig

加工や組立ての際、部品や工具を案内し位置決めするとともに固定する補助具。英語では「jig」ということから「治具」という漢字があてられている。一般的に日本語で「ジグ」という用語が使われることが多い。ジグには穴あけジグ、リーマ通しジグ、溶接ジグ、組立てジグなどがあり、それぞれ作業と関連している。形状にも多くの種類があり、板、チャンネル、リング、直径、リーフ、箱などの形がある。

 穴あけジグを例にとると、板ジグは1枚の板からなり、位置決め栓とねじの締め付けにより工作物の位置決定を行う。チャンネルジグは工作物の形状が簡単な場合に用いられる。リングジグは穴あけ作業時に工作物がドリルで回されないように締め付けるジグで、管フランジのような丸い形状部品の穴あけに用いられることが多い。直径ジグは円筒形または球形の部品に穴をあけるときに用いるもので、工作物の穴あけ位置を決めやすいようにV字形の面または円錐(えんすい)状の面を備え、これらの面を使って工作物を支持する。リーフジグは工作物の外形が多少複雑化しても、位置決めと締め付けを容易に行えるようにしたジグで、ヒンジリーフをもつ構造となっている。箱ジグは四つの固定壁とヒンジリーフとからなっている箱形のものである。このジグにより穴あけを行う場合、ドリルブッシュを固定壁に取り付けてジグの剛性が低下しないようにし、リーフジグのようなヒンジリーフの「ガタ」に基づく誤差が回避されるようになっている。しかし一般に構造が複雑で、そのぶん製作費が高くなる。

[清水伸二]


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デジタル大辞泉「治具」の解説

ジグ(jig)

機械工作で、工作物の所定の位置に、刃物を案内する工具。
ルアーの一。金属製で重く、水底によく沈む。
[補説]1は「治具」「冶具」とも当てて書く。

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精選版 日本国語大辞典「治具」の解説

ち‐ぐ【治具】

〘名〙
① 準備をすること。接待などの仕度をすること。
※羅山先生文集(1662)五・示堀正意「疇昔応佳招、治具叮寧、悃意厚重、謝焉有余」 〔史記‐灌夫伝〕
② (「荘子‐天道」に「此有治之具、非治之道」とあるのによる) 国を治めるための道具、手段。法令をいう。
※西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉前「是政綱治具彼が如く整備ならざる歟」 〔韓愈‐進学解〕

ジグ【治具】

〘名〙 (jig 「治具」はあて字) 機械工作で、部品の加工位置を正確に定め、刃物や工具を正しく当てるために用いる道具。〔現代日本技術史概説(1956)〕

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世界大百科事典内の治具の言及

【ジグ】より

…このような不つごうを防止するために用いられる道具をジグという。日本では治具の字をあてたこともあり,また,生産現場では昔から〈やとい〉と呼ぶことが多かった。ジグに要求されるおもな機能は,工具と工作物の相対位置が正確に保たれるように,(1)工作物をしっかり固定すること,(2)工作物に対して工具を正確に案内することである。…

※「治具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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