ゲンチアナ(読み)げんちあな(英語表記)gentian

翻訳|gentian

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲンチアナ」の意味・わかりやすい解説

ゲンチアナ
げんちあな
gentian

リンドウ科(APG分類:リンドウ科)植物Gentiana lutea L.の根および根茎。原植物はピレネー山脈、アルプス山系、小アジアのタウルス山系に至る広域に分布する亜高山性の多年草である。ゲンチアナ粉末炭酸水素ナトリウムと配合した苦味健胃剤は健胃散の代表的処方であるが、輸入品がほとんどのため、日本では類似薬としてセンブリ末やリュウタン末が多く使用されている。粉末は黄褐色を呈し、特異なにおいがあり、味は初め甘く、のちに苦く残留性がある。

[幸保文治 2021年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲンチアナ」の意味・わかりやすい解説

ゲンチアナ
gentian

ヨーロッパ中南部に産するリンドウ科の多年草ゲンチアナ・ルテア Gentiana luteaほか同属植物の根および根茎を乾燥・発酵させたもの。薬局方収載の生薬一つ。苦味配糖体ゲンチオピクリンなどを含み,苦味健胃剤として慢性胃炎,消化機能低下などに汎用されている。

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