ゲームの規則(読み)げーむのきそく(その他表記)La Règle du Jeu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲームの規則」の意味・わかりやすい解説

ゲームの規則
げーむのきそく
La Règle du Jeu

フランス映画。1939年作品。監督ジャン・ルノワール。ブルジョワの館を舞台に、貴族、飛行士、密猟者、使用人たちが入り乱れて色恋沙汰(いろこいざた)を繰り広げるドタバタ劇。ルノワールは「陽気な悲劇」を目ざしたというが、第二次世界大戦前夜という時代状況のなか、退廃的で風紀を乱すとして不評を買い、公開直後に上映禁止に。失意のルノワールはアメリカに渡った。しかし、複数の登場人物個々のリアルな存在感を生かす即興的演出、奥行きのある縦の構図を生かした画面の中を縦横無尽に動き回るカメラ、長回し撮影など、古典的な映画の常識を超えた新しさは、アンドレバザンヌーベル・バーグの世代に高く評価された。1959年のベネチア国際映画祭で復元版が上映されたのを機に再評価が進み、現在では映画史上もっとも有名な作品の一つとなっている。

[伊津野知多]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「ゲームの規則」の解説

ゲームの規則

1939年製作のフランス映画、原題《La Règle du Jeu》。監督:ジャン・ルノワール、出演:マルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータンほか。

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世界大百科事典(旧版)内のゲームの規則の言及

【レリス】より

…人類学者としてアフリカ原住民の現地調査を進め,《アフリカの幻影》(1934)などを発表する一方で,極度の精神的沈滞とたえざる自殺への偏執から脱却しようとして,いわば自己自身に精神分析を施すように告白《成熟の年齢》(1939)を書く。以後,文学を単なる美的目的に終結させず,自己自身を変革するための言語活動ととらえ,死に憑(つ)かれた自分の人生をさまざまな角度から語る特異な自伝《ゲームの規則La règle du jeu》4巻(1948‐76)を書きつづけた。マネの絵を中心にすえた《オランピアの頸のリボン》(1981)もその続編とみなしうる。…

※「ゲームの規則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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