コガタアカイエカ(読み)こがたあかいえか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コガタアカイエカ」の意味・わかりやすい解説

コガタアカイエカ
こがたあかいえか / 小形赤家蚊
[学] Culex tritaeniorhynchus

昆虫双翅(そうし)目糸角亜目カ科に属する昆虫。日本全土および東南アジア北アフリカなどに分布し、水田池沼、水たまりに普通に発生する。日本脳炎を媒介するカとして有名。体長3~4ミリメートル内外の小形種で、体は茶褐色夜間活動する吸血性のカで、ヒトのほかウシ、ウマブタなどの家畜も刺す。

倉橋 弘]


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百科事典マイペディア 「コガタアカイエカ」の意味・わかりやすい解説

コガタアカイエカ

双翅(そうし)目カ科の昆虫。イエカの一種。体長4.5mm内外,雄は多少小さい。暗赤褐色。日本全土,朝鮮半島に分布。幼虫ボウフラ)は水田や池,水たまりなどにすみ,成虫は夏〜秋に発生する。夜間吸血性で,日本脳炎を媒介するカとして有名。
→関連項目アカイエカイエカカ(蚊)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コガタアカイエカ」の意味・わかりやすい解説

コガタアカイエカ
Culex tritaeniorhynchus

双翅目カ科。体長 4.5mm内外。体は暗赤褐色で,腹背節基部の中央部には広い黄白色帯がある。またの中央部に広い白色帯があり,肢の腿節と脛節末端部および 跗節両端は白い。アカイエカに似るが,より暗色で,吻に白色帯があるので区別できる。日本全土に産し,水田や池などに発生する。日本脳炎の媒介昆虫として重要である。 (→ )

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世界大百科事典(旧版)内のコガタアカイエカの言及

【イエカ】より

…これらは,世界各地で人やイヌのフィラリア症を媒介している。この群の成虫は外見上目だつ特徴が少ないが,同じイエカ属のコガタアカイエカ(コガタイエカともいう)C.tritaeniorhynchusは,口器や脚に白いバンドが見られる。発生源が水田や沼などで,とくに農山村に多数いる。…

【日本脳炎】より

…日本脳炎は,カなどの節足動物で媒介されるアルボウイルスのBグループに属する日本脳炎ウイルスによって起こる感染症であるが,ヒトからヒトへの直接の感染はない。RNAウイルスで,ヒトへの感染はコガタアカイエカに刺されると起こり,人体に入ったウイルスは脳外で増殖した後に血行を介して脳に至り脳内で増殖して発症する。ヒト以外でもウマ,ブタに感受性が高く,コウモリや鳥類(渡り鳥),カエルなどでも感染する。…

※「コガタアカイエカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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