日本大百科全書(ニッポニカ) 「コケイン症候群」の意味・わかりやすい解説
コケイン症候群
こけいんしょうこうぐん
Cockayne syndrome
DNA(デオキシリボ核酸)損傷に対する修復機構に異常が認められる希少な常染色体潜性の遺伝性疾患。略称CS。ウェーバー‐コケイン症候群Weber-Cockayne syndromeあるいはニール‐ディングウォール症候群Neil-Dingwall syndromeというよび方もある。光線(紫外線)過敏症状がみられ、低身長や低体重などの成長障害のほか小頭症を伴うことも多い。早老症とよばれる老人に似た顔貌(がんぼう)や外観が認められ、網膜色素変性や白内障ほかの視力障害、難聴などの聴力障害、末梢(まっしょう)神経障害ほか重度の精神運動発達障害などを伴う。多くは小児期から20代前半までに死亡することが多い。医学的研究はあまり進んでおらず、根本的な治療法も確立されていないため、症状に応じた対症療法が選択される。神経・筋疾患として小児慢性特定疾病に指定され、2015年(平成27)1月から医療費助成が受けられるようになった。
[編集部]