コモウセンゴケ(読み)こもうせんごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コモウセンゴケ」の意味・わかりやすい解説

コモウセンゴケ
こもうせんごけ / 小毛氈苔
[学] Drosera spatulata Labill.

モウセンゴケ科(APG分類:モウセンゴケ科)の多年生の食虫植物。根出葉は広倒卵形で柄の幅が広く、ロゼット状に密に叢生(そうせい)する。葉面に紫紅色の腺毛(せんもう)があり、小虫を粘液でとらえる。花期は6~9月、花は淡紅色で花序に短い腺毛があり、萼(がく)裂片は先が鋭くとがる。花序は萼の2倍長く、果実球形で萼より短い。宮城県以西の本州四国、九州、沖縄に生え、中国、東南アジアオーストラリアにも分布する。名は、小形のモウセンゴケの意味である。

[小林純子 2020年12月11日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のコモウセンゴケの言及

【モウセンゴケ(毛氈苔)】より

… モウセンゴケ属Drosera(英名sundew)は世界で約90種が知られ,そのうちの約60種はオーストラリアに集中的に分布している。日本にはほかに,ナガバノモウセンゴケD.anglica Huds.(イラスト),モウセンゴケとナガバノモウセンゴケの種間雑種サジバモウセンゴケD.obovata Mert.et Koch,コモウセンゴケD.spathulata Labill.(イラスト),イシモチソウD.peltata Smith,(イラスト)ナガバノイシモチソウD.indica L.がある。イシモチソウは日本を北限とし,南はオーストラリア,タスマニア島までの東南アジアを中心に広く分布する多年草で,地下部に直径約5mmの球状塊茎をもち,茎が立ち上がり,また葉身(捕虫葉)は楯状に葉柄についた三日月形という形態的特徴をもつ。…

※「コモウセンゴケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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