コルフ島事件(読み)こるふとうじけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルフ島事件」の意味・わかりやすい解説

コルフ島事件
こるふとうじけん

1923年、イタリアギリシア領コルフCorfu島を占領した事件。同年8月、アルバニア・ギリシア国境画定委員会のイタリア代表がギリシアの暴漢に殺害された。イタリアはただちに事件の調査、賠償をギリシアに対し要求したが、ギリシアは応ぜず、国際連盟パリの四大国(イギリスフランス、イタリア、日本)大使会議に解決をゆだねた。これを不満としたイタリアは、軍艦コルフ島に派遣、占領した。国際連盟に解決の権限はないとするイタリアの主張を四大国が容認、ギリシアがそれに屈して問題は解決したが、紛争解決に国際連盟が非力であることを示した象徴的な事件となった。

[藤村瞬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルフ島事件」の意味・わかりやすい解説

コルフ島事件
コルフとうじけん
Corfu Incident

1923年8月 31日~9月 27日イタリア艦隊がイオニア海のギリシア領コルフ島 (ケルキラ島 ) を砲撃し一時期占領した事件。 1923年8月 27日ギリシア=アルバニア国境画定委員会で活動していたイタリアのエンリコ・テリーニ将軍とそのスタッフがギリシア領で殺され,これにイタリアが報復したもの。国際連盟の調停で解決した。同連盟の政治力が初めてためされた事件。

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