改訂新版 世界大百科事典 「コンソラートデルマーレ」の意味・わかりやすい解説
コンソラート・デル・マーレ
Consolato del Mare
13世紀ないし14世紀に,スペインのバルセロナで編集・出版された地中海沿岸地域の海商法の法典。バルセロナ,マルセイユ,ジェノバ,ピサなどのスペイン,南フランス,イタリアの地中海沿岸の諸都市は,古くから海上通商の盛んなところで,商人たちの間では,しだいに海上通商に関する慣習法が形成されていった。コンソラート・デル・マーレは,この慣習法を文書にまとめたものである。最初は,スペインの地方語であるカタルニャ語で書かれたが,のちにさまざまの言葉に訳され,地中海地域の海上通商に従事する商人たちによって広く利用された。コンソラート・デル・マーレは,バルト海沿岸など他の地域で発達した海商法とならび,のちの近代海商法の発達に大きく寄与した。また,国際法の分野においても,戦時における中立船および中立貨尊重の原則の確立に大きな影響を与えたものとして意義がある。
執筆者:横田 洋三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報