日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴッデン」の意味・わかりやすい解説
ゴッデン
ごっでん
Margaret Rumer Godden
(1907―1998)
イギリスの女流作家。幼時をインドで過ごし1920年代に帰国。1930年代なかばから小説を書き始め、『黒水仙』(1939)で作家としての位置を得て以来、1990年代に至るまで執筆を続けた。一方1940年代末から児童文学の領域にも進出し、人生についての鋭い洞察を潜め、かつ物語性豊かな傑作『人形の家』(1947)をはじめとする数多くの作品を書き、20世紀後半英語圏のもっとも優れた作家の一人に数えられた。ロマの孤児の数奇な運命を描いた『ディダコイ』(1972)でウィットブレッド賞を獲得した。その他詩集、伝記、翻訳の著作もあり、映画化、テレビ化された小説や児童文学作品もある。
[猪熊葉子]
『瀬田貞二訳『人形の家』(1967・岩波書店)』▽『猪熊葉子他訳『架空の往復書簡』(『オンリー・コネクトⅠ』所収・1979・岩波書店)』▽『山崎時彦・中川昭栄訳『アンデルセン』(1980・偕成社)』▽『J・R・タウンゼンド著、高杉一郎訳『子どもの本の歴史 下』(1982・岩波書店)』