改訂新版 世界大百科事典 「ゴンブロビチ」の意味・わかりやすい解説
ゴンブロビチ
Witold Gombrowicz
生没年:1904-69
ポーランド出身のユダヤ系の作家。代表作に《フェルディドゥルケ》(1938)がある。ワルシャワ大学を卒業後パリに2年間留学して帰国。やがて法律家を断念し文学に専念する。短編集《成熟期の手記》(1933,増補改題《バカカイ》)でデビュー。1939年大西洋横断の処女航海の船で招待旅行中,第2次大戦が起こりアルゼンチンにとどまる。24年後の63年にようやくヨーロッパへ戻り,南フランスのバンスに住むが,心臓病のため死去。ビトキエビチ,B.シュルツと並ぶ前衛文学の〈三銃士〉を自認した。代表作のほか,《ポルノグラフィア》(1960),《コスモス》(1965),三幕劇《オペレッタ》(1966)に邦訳がある。《日記》3巻(1953-66)は重要。
執筆者:工藤 幸雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報