サグント(その他表記)Sagunto

デジタル大辞泉 「サグント」の意味・読み・例文・類語

サグント(Sagunto)

スペイン東部、バレンシア州の町。バレンシアの北東約25キロメートル、地中海西部のバレアレス海に面する。紀元前6世紀頃からイベリア人が居住し、サグントゥムとよばれ、ギリシャフェニキアとの交易で栄えた。紀元前219年にカルタゴハンニバルが攻撃し、第二次ポエニ戦争発端となった。ローマ帝国占領後に再建され、巨大な円形劇場などが建設された。

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改訂新版 世界大百科事典 「サグント」の意味・わかりやすい解説

サグント
Sagunto

スペイン東部,バレンシア県の町。人口5万6351(1979)。良港を有し,1960年ごろは製鉄業が栄えた。イベロ族に起源する町で旧名をサグントゥムSaguntumといい,ギリシア人が建設したといわれる。前219年にカルタゴのハンニバルによって征服され,第2ポエニ戦争の発端となった。前214年ころにローマが占領し,1万人収容できる円形劇場などがつくられた。19世紀までイスラム時代のムルビエドロ(古い城壁の意)の名で知られた。1874年王政復古のクーデタ舞台となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サグント」の意味・わかりやすい解説

サグント
Sagunto

スペイン東部,バレンシア州,バレンシア県北部の都市。県都バレンシアの北北東約 25kmに位置する。古代ギリシアのザキュントス島からの移住民によって建設された町で,長らくサグンツムと呼ばれていた。ローマと同盟関係にあって,ローマはカルタゴの将軍ハスドルバルにサグンツムを侵略しない保証をさせていたが,前 219年ハスドルバルの義弟ハンニバルに攻略され,これが第2次ポエニ戦争の端緒となった。前 214年ローマがこの地を奪回し,市民にはローマ市民権が与えられた。8世紀ムーア人に占領され,13世紀にキリスト教徒の手に戻った。セウェルス帝,カラカラ帝時代の劇場が現存する。産業は軽工業が主で,港から果実,鉱石類を輸出。バレンシア-バルセロナ間の鉄道とテルエル,マドリード方面への鉄道との結接点。人口5万 5416 (1991推計) 。

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