ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サビニアヌス」の意味・わかりやすい解説
サビニアヌス
Sabinianus
[没]606.2.22. ローマ
トスカナ出身の第65代教皇(在位 604~606)。教皇グレゴリウス1世(在位 590~604)のもとコンスタンチノープルで教皇大使を務め,世界総主教 ecumenical patriarch(→コンスタンチノープル総大主教)の称号を要求したヨハネス4世とローマ教会の和解に努めた。グレゴリウス1世の後継者として 604年に教皇に選出され,先代の方針を覆し,修道士(→修道会)よりもむしろ教区付き司祭を昇進させた。冬の食糧欠乏期に教皇の穀倉の管理を徹底したことから,出し惜しみをしたという評判が立った。教皇位は短命で不人気であり,飢饉に苦しんだだけでなく,北イタリアを支配していたゲルマン人ランゴバルド族の襲撃にも悩まされた。
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