サルバルサン(読み)さるばるさん(英語表記)Salvarsan

翻訳|Salvarsan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サルバルサン」の意味・わかりやすい解説

サルバルサン
さるばるさん
Salvarsan

1910年にエールリヒ秦佐八郎(はたさはちろう)が共同で発見した世界最初の梅毒治療剤。アルスフェナミン、アルゼノベンゾールの市販名であり、開発番号が606番目の化合物であったので606号と俗称された。その後改良が加えられ、「ネオサルバルサン」、「ネオネオサルバルサン」、アセタゾールなどが市販されたが、ヒ素の化合物で副作用があるため、抗生物質出現により現在はまったく使用されていない。語源ラテン語で「世を救うヒ素」の意。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サルバルサン」の意味・わかりやすい解説

サルバルサン
Salvarsan

C12H12As2H2O2 。3-アミノ-4-オキシフェニルアルソン酸の還元によって得られる淡黄色粉末。 P.エールリヒが合成したときの番号が 606であったことから 606号ともいわれる。梅毒,鼠咬症ワイル病回帰熱などの特効薬として用いられた。副作用が大きいことと,抗生物質が出現したことによって現在は使用されていない。

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