サフィ(その他表記)Safi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サフィ」の意味・わかりやすい解説

サフィ
Safi

モロッコ西部,同名州の州都。大西洋に面する同国第2の港湾都市。カサブランカ南西 200kmに位置する。カナーン人の植民した町であるが,のちカルタゴの植民地となり,アスフィと呼ばれた。その後,ローマ,ゴートののち 11世紀にアラブにより占領。 13世紀にヨーロッパに対する聖戦要塞となり,1508~41年にはポルトガルが占領。 16世紀後半から 17世紀初期がサアディ朝スルタンのもとで最盛期を迎えた。第2次世界大戦中には,アメリカ軍の北アフリカ上陸地点となった。東 60kmのリン鉱石の産地ユースフィアと鉄道で結ばれ,鉱石を輸出。イワシ漁の中心港で,缶詰工場がある。ポルトガル軍の築いた要塞が残る。人口 19万 7616 (1982) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サフィ」の意味・わかりやすい解説

サフィ
さふぃ
Safi

北アフリカ、モロッコ西部の大西洋に面した港湾都市。人口37万6038(1994)、市域の人口34万5595(2014推計)。中世より繁栄した港町で、16世紀にはアフリカへ進出するポルトガルの基地となった。当時の城塞(じょうさい)や教会がいまも残存し観光地となっている。17世紀以降独立まではフランスの勢力下にあった。モロッコの大西洋岸の主要な漁港であり、内陸のユースフィア鉱山からの燐(りん)鉱石積出し港でもある。リン酸肥料、魚缶詰、織物工業が立地し、伝統工業では陶器がある。

[藤井宏志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android