沈み込み帯ともいう。海底リソスフェアが大陸または島弧の下へ斜めに沈み込んでいる帯状の地域。二つのプレートの収束境界のうち一方が海底の場合に起こる。海溝から陸の下へ傾いた深発地震面として,1928年に和達清夫によって発見されたのが始まりで,54年にアメリカのベニオフHugo Benioffによって世界各地の例がまとめられたので和達=ベニオフ帯Wadati-Benioff zoneまたは単にベニオフ帯ともいう。その後,地震の発震機構の研究から,硬い海底リソスフェアが海溝の下で折れ曲がり,陸の地殻とすれ合いながらマントル内深くへ沈み込んでいるようすが示された。また,深発地震や核を通過した地震の伝わり方からも,地震波速度の大きい硬い板が陸の下へ向かって斜めに傾いて存在することが確認された。
東北日本の下では,サブダクション帯の傾きは海溝の直下では10~20度で,陸側へ進んで深さが深くなるとしだいに急傾斜になり,深さ50km以深でほぼ45度になる。下限は約700kmで,これ以深では沈み込んだ海底リソスフェアは高温のために溶けたり,軟らかくなったりしてまわりと区別がつかず,地震も起こらなくなるのであろう。サブダクション帯の形は地域によって異なる。それぞれの地域のプレート運動の状態と沈み込み開始以来の年代によると思われる。
→深発地震
執筆者:小林 和男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…海洋プレートは中央海嶺とは反対側の縁辺で大陸プレートとぶつかりアセノスフェアの中へ沈み込んでいく。 ぶつかるプレート境界(サブダクション帯,沈み込み帯と呼ぶ)では深くて両側に急斜面をもつ細長い凹みである海溝が生じる。沈み込んだプレートはアセノスフェア深部で溶融し,ふたたびアセノスフェアになる。…
※「サブダクション帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新