デジタル大辞泉 「サムの息子法」の意味・読み・例文・類語 サムのむすこ‐ほう〔‐ハフ〕【サムの息子法】 《Son of Sam law》犯罪の加害者が、手記を出版するなど、自らの犯罪を商業的に利用して得た利益を差し押さえ、被害者や遺族の賠償にあてることを義務づけた法律。1977年に米国ニューヨーク州で制定。「サムの息子」は、法律制定の契機となった連続殺人事件で、犯人が犯行声明文に使用した名。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵mini 「サムの息子法」の解説 サムの息子法 犯罪者が手記を書く、映画化の権利を売るなどしてその犯罪行為をもとに収入を得た場合、遺族など被害者側の申し立てにより、その収益を犯罪者から取り上げることができるとする米国ニューヨーク州の法律。1976年、米大手出版社が70年代にニューヨークで起きた連続殺人事件の犯人に手記を書かせて売ろうとしたことがきっかけに、同年、この法律が制定された。この連続殺人事件で犯人は全ての現場に「サムの息子」という署名を残したことから、法律にもこの名称が用いられた。同法はその後、全米の約40州に広まり、84年に連邦レベルでも同様な犯罪被害者法が制定され、出版などによる収益のみならず、没収された保釈金や犯人の差押財産も基金として遺族や被害者のために分配される仕組みができた。オーストラリアでも「差し押さえ法」と呼ばれる同様の法律が制定されている。 (2015-6-23) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報