サン・ジェルマン・デ・プレ修道院(読み)さんじぇるまんでぷれしゅうどういん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サン・ジェルマン・デ・プレ修道院
さんじぇるまんでぷれしゅうどういん

パリの中心部、セーヌ川左岸のサン・ジェルマン・デ・プレSaint-Germain-des-Prés地区にあったフランス最古の修道院。6世紀中ごろの創建とされ、当時のパリ司教ゲルマヌス(ジェルマン)の墓所があるため、この名でよばれる。カロリング・ルネサンス期にベネディクトの会則を採用して以来大いに栄え、中世を通じて貴重な資料がここで多く編纂(へんさん)された。なかでも、『イルミノンの所領記録』Polyptyque d'Irminonは、中世修道院の荘園(しょうえん)(所領)経営の実態を示し、中世経済史研究の根本史料となっている。17世紀にはマビヨンはじめ聖(サン)モール教団の研究活動の中心となったが、フランス革命で閉鎖された。現在、12世紀ロマネスク様式の教会堂が一部残存する。

[鶴岡賀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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