改訂新版 世界大百科事典 「サンタカタリナ」の意味・わかりやすい解説
サンタ・カタリナ[州]
Santa Catarina
ブラジル南部の州。面積9万5985km2。人口535万6000(2000)。州都はフロリアノポリス。大西洋に面し,ほぼ南緯25°58′と29°22′との間に位置する。大西洋岸に沿って南北に海岸山脈が走り,そこから内陸に向かって標高1000m前後の山がちの高原が広がり,西方に高度を徐々に低めながらウルグアイ川に達する。フロリアノポリスで,年平均気温は19.8℃,年降水量1213mm,11~4月の最高気温は30℃を超し,5~8月の最低気温は10℃以下となって,内陸高原地域では霜のおりる所もある。全体としては亜熱帯気候といえるが,内陸高原では,アラウカリア(ブラジル松)の植生が特徴的である。産業は農牧林業が主で,同時にブラジル最大の石炭の産地でもある。ドイツ人,イタリア人の移民によって開拓され,中農層が多く,米,ブドウ,小麦の生産が多い。ブルメナウ,ジョインビレなどにはドイツ風の建築物など特異な文化が見られる。
執筆者:西川 大二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報