アラウカリア(その他表記)Araucaria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラウカリア」の意味・わかりやすい解説

アラウカリア
Araucaria

ナンヨウスギ科針葉樹の1属で,南半球に特産する。原始的な形態をもつことと,中生代には北半球を含めて広く世界に栄えていたことを示す化石があることで,系統学上注目され,現生の針葉樹類と,その系統上の祖先とみられる石炭紀のコルダイテス類とをつなぐものとする見解もある。雌雄異株で,雌花雄花とも大きな球形に近い花序をなし,雄花のおしべでは葯 (やく) の数が多いこと,雌花では逆に珠鱗上につく胚珠が1個しかないこと (マツ科では2個) などが特徴的である。現生種としてはチリ,アルゼンチンなどに生じるチリマツ A. araucana,ノーフォーク島に産するノーフォークマツ A. heterophylla,ブラジル産のパラナマツ A. brasiliensisなどがあり,特にノーフォークマツは世界各地で公園などに栽植されている。日本でも沖縄などでこの木が庭木となっているのをよく見かける。

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