改訂新版 世界大百科事典 「サンタンカ」の意味・わかりやすい解説
サンタンカ (山丹花)
Ixora chinensis Lam.
アカネ科の熱帯の常緑低木の花木。サンダンカ(三段花)ともいう。朱紅色,橙色,白色などの小花が多数,密に半球状に集まり,美しくまた開花期間も長いので,鉢植えや切花としてよく使われる。熱帯では庭園木として広く植えられている。原産地は中国南部,マレーシア。葉は対生し,倒卵形で長さ5~10cm,革質で濃緑色,やや光沢があり美しい。花は茎頂の集散花序に多数つき,花筒部は細く長さ2~2.5cmで,先は開出し4片に分かれ,花径1cmくらいで,やや肉質。高温時でも花もちがよい。花はほぼ周年開花する。ごくよく似たイクソラ・コッキネアI.coccinea L.も熱帯域で花木としてよく栽植される。
イクソラ属Ixoraは東南アジアからマレーシア地域を中心に熱帯域に約200種以上が広く分布し,いずれも美しい花をつける。深橙赤色花のジャワサンタンカI.javanica DC.や深黄色花のキバナサンタンカI.lutea Huchinson,白花のシロバナサンタンカI.parviflora Vahl.などは,日本にも導入され栽培されることがある。通常,繁殖は挿木による。高温時は発根しやすい。鉢作りの場合は摘芯により枝の数を多くする。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報