サンディーノ(読み)さんでぃーの(英語表記)Augusto César Sandino

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンディーノ」の意味・わかりやすい解説

サンディーノ
さんでぃーの
Augusto César Sandino
(1895―1934)

アメリカの軍事占領に抵抗して闘ったニカラグアの民族主義者。グラナダ市近くの小村ニキノオモで、コーヒー地主の父親と農婦との間の私生児として生まれた。成人して農業労働者などの職を転々としたのち、1925年メキシコのタンピコに行き、メキシコ革命後の雰囲気に接して翌年帰国した。帰国後私兵を結集して、政府軍と闘っていた自由党軍に参加し将軍となった。アメリカ政府の調停休戦が成立したのちも、アメリカ軍がこの国に駐留している限り彼らと闘うと宣言し、民族主権防衛軍を名のって、27年からアメリカ軍が撤退する33年までゲリラ戦で闘った。アメリカ軍撤退後和平に応じたが、後のニカラグアの独裁者A・ソモサにより謀殺された。79年にソモサ独裁政権を倒した革命運動は、彼の名をとってサンディニスタ運動とよばれる。

[加茂雄三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンディーノ」の意味・わかりやすい解説

サンディーノ
Sandino, Augusto César

[生]1893.5.18. ニキノオモ
[没]1934.2.23. マナグア
ニカラグアの軍人,民族主義者。 1926年親米保守党政権に対する自由党の反乱に参加。自由党の将軍たちがアメリカ合衆国の調停を受入れたのに対し,サンディーノだけが当時軍事干渉をしていた合衆国軍が撤退するまで戦うと宣言,ゲリラ戦を開始した。ゲリラ闘争は当時合衆国の軍事干渉や支配に反発していたラテンアメリカ地域からの支援を得て,33年1月合衆国軍が撤退するまで続けられた。撤退後政府との間に平和協定を結んだが,サンディーノは 34年に国家警備隊によって暗殺された。 79年ニカラグア革命をになったサンディニスタ民族解放戦線は彼にちなんで命名された。

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