シク王国(読み)シクおうこく(英語表記)Sikh

翻訳|Sikh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シク王国」の意味・わかりやすい解説

シク王国
シクおうこく
Sikh

19世紀初頭から 1849年まで北西インド,パンジャブ地方に形成されたシク教徒の王国。シク教は 15世紀末ナーナクによって創始され,ヒンドゥー教とイスラム教を融合した一神教カーストを否定した。この教団グル (師) によって指導され,次第に政治的・軍事的集団に変貌したが,特に 17世紀後半ゴービンド・シングはシクの軍隊化,教団国家建設を進め,ムガル帝国と対抗した。 18世紀中頃シク教団は軍隊を 12のミシル (軍団) に分け,各地に城塞を築き,実質上パンジャブを支配した。 19世紀初めランジート・シングは諸ミシルを統合し,パンジャブからペシャワル,カシミールを含む一大王国をつくり上げ,イギリスと妥協しながらも,それと対抗しうる唯一の独立国を形成した。彼の死後,後継者争いにより王国は分裂状態となり,第1次 (1845~46) および第2次 (48~49) のシク戦争でイギリスに敗北,パンジャブは併合されて全インドにイギリス支配が確立した。

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